キングダムハーツ バースバイスリープ 挑発
ヴェントゥスは、距離を取ってキーブレードを出した。
そのキーブレードを背中でクルクルと廻して、敵役のエラクゥスの様子を伺う。
瞬時に間合いを詰められる、自信の表れだろう。
「さあ、見せてみろ!ヴェントゥス!」
それを合図に、ヴェントゥスはエラクゥスに向かって走り出す。
そして、エラクゥスの正面に立つと
「オマエなんか、ちっとも怖くないぞ!!アッカンベー!!」
両手でほっぺたを引っ張り、思い切り赤い舌を出した。
その顔を、エラクゥスは厳しい眼差しで見つめた。
「ヴェントゥス!合格だっ!!」
「やったあ-っ!!」
ヴェントゥスは、飛び上がって拳を高く突き上げた。
彼を弟のように見守っているテラとアクアが、駆け寄る。
「よくやった!ヴェン!」
「偉いわ!ヴェン!」
テラに、クシャクシャと頭を撫でられて、ヴェントゥスは満面の笑みを浮かべた。
「へへへっ!」
「ヴェントゥス。その人を小馬鹿にした態度。小生意気な物言い。
思わず張り倒したくなる、小憎たらしい顔。
子どもらしく、大変良かった。精進したな」
「はいっ!ありがとうございます!マスターエラクゥス!」
エラクゥスの賞賛に、ヴェントゥスは姿勢を正した。
「最後にーーアクア!」
「はい!」
エラクゥスが呼ぶと、アクアは凛とした声で返事をした。
「見せて貰おう」
「はい!」
「アクア、頑張れよ」
「しっかり!アクア!」
声援を送るテラとヴェントゥスに、アクアはニッコリ微笑んだ。
「まかせて」
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