パーティーへの招待状
ホワイト・レディ
貴婦人のような私に
野獣のアナタ
ドレスで着飾って、獣を従える
そんな私に似合うのは、フリルの着いたパラソルより、撓る鞭
アナタを縛り付ける為じゃない
私が 離れられないの
「よお、待たせたな」
絶対、着崩してくると思ってた。
改まった席がキライで
堅苦しい格好が面倒で
どんなに廻りがキチンとスーツを着ていても
アナタだけは違ってた
だからきっと、今日のパーティーにも
だらしない格好なんだと思った
「なんだよ、なんか言えよ。おめえの為に、めかし込んで着たんだからよ」
言えるわけないじゃない
こんなに素敵なアナタを目の前にして
そんな優しい瞳で見つめないでよ
あぁもう 手が震えて、スカートを握りしめてる。
せっかく、大好きなシャーベットオレンジのドレスを着たのに
ドレスに散りばめられた小花が、蝶々のようにひらめく
「なんだよ、魅とれてんのか?」
ジェクトの、焼けた大きな
襟に深紅のステッチを効かせた、黒のジャケット。
キッチリ折られたウィングカラー。
ベストチーフとアスコットタイは、ジェクトの瞳と同じ真紅。
私が女王で、アナタは傅く野獣
私の美しい脚の指に、恭しくキスをする
私に恋い焦がれるケモノ
それなのにーー
ジェクトに知られてしまう
顔を見られないくらい
肩を抱かれただけで、泣きそうになるくらい
貴男が好きなのーー
「リカーーキレイだぜ」
本当は
そのひと言だけでいい
他には何も要らない
.
