キングダムハーツ バースバイスリープ 挑発
マスターエラクゥスは、キーブレードマスターを目指す、3人の弟子たちを呼んだ。
「マスターエラクゥス、お呼びでしょうか?」
弟子のひとり、テラが言った。
彼の真っ直ぐな眼差しには、光が宿り
鍛えられた肉体は、闇を倒す力が溢れていた。
「うむ。皆に集まって貰ったのは他でもない。
新しい《コマンド》を、マスターしてほしいのだ」
「新しいコマンド?」
「それは、どんなコマンドなのですか?マスターエラクゥス」
最年少の弟子ヴェントゥスと、紅一点のアクアが身を乗り出す。
ヴェントゥスは、素早い動きで敵を封じ込め
アクアは、圧倒的な魔力で敵を倒す。
「その《コマンド》とは、《挑発》だ。
敵の判断力を無くさせ、単調な攻撃しかしなくなる。
混乱や毒という、厄介な攻撃をする敵に、非常に有効な手立てだ」
「マスターエラクゥス、そのコマンドなら、《ミラージュ・アリーナ》へ行けば金貨で買えるのでは?」
「莫迦者!!!!」
エラクゥスは、拳を震わせてテラを怒鳴りつけた。
「テラ!!何ということを口にするのだ!!
仮にもキーブレードマスターを目指す者が、《コマンド》を金で買うなどという情けないことをーー」
俯いて顔を覆う師匠に、3人は動揺した。
「申し訳ありません!マスターエラクゥス!
俺がーー俺が間違っていました!!」
師匠の涙に、テラはうなだれた。
「分かったのなら、それで良い。では、早速、各々《挑発》のポーズを考えてくるのだ」
「は?」
テラは顔をあげた。
アクアとヴェントゥスも、顔を見合わせる。
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