FFⅫ それは悪夢か良き夢か
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「・・・・・・」
目を開けると、薄汚れた天井が見えた。
ゆっくりと視界を360度動かしてみたが、いつも見慣れたヘーゼルグリーンの瞳はいない。
あぁ、そうかーー彼は恋人のもとにいるのだ
あたりまえのように思い、起き上がった。
部屋の中の、暑く乾いた空気。
開け放った窓からは、子供たちのハシャぐ声が聞こえる。
ラバナスタに戻って来たのだろう。
ぼんやりしていると、いきなりノックもなしに扉が開き、青く幼い瞳が自分を心配そうに見た。
「よかった。気がついたか、パンネロ」
「パンネロ?」
幼なじみの少女の名を呼ぶ少年に、不思議そうな目を向けた。
「モルボルの息でみんなが気絶しちゃって、慌ててラバナスタに戻って来たんだーーって、おい、パンネロ」
「・・・・・」
ベッドから降りると、壁にかけてある、罅の入った鏡の前に立った。
「・・・・・パンネロ・・」
鏡に映る自分の顔を見て、そう呟く。
彼女はしばし逡巡したが、いつものようにポーカーフェースで振り返った。
「ヴァン、喉が渇いたわ。何か飲みたいんだけど」
「あ、あぁ。何がいい?」
「そうね、700年物の赤のワインがいいわ。よく冷やしてね」
「へっ?」
彼女はソファーに優雅に座り、足を組んだ。
いつもと違う、艶のある仕草に、ヴァンは茫然とした。
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