FFⅫ 真昼の悪夢
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「あ、気がついた」
目を開けると、嬉しそうに両手を唇の前で合わせているパンネロが目に入った。
「パンネロ・・私はいったいーー」
「モルボルの毒で倒れちゃったんだよ。でもよかった。このまま目が覚めなかったらどうしようかと思った」
「心配掛けてすまない。もう、大丈夫だ」
「もう少し寝てて。そうだ、お腹すいてない?何か作るね、ヴァン」
いそいそとキッチンへ行くパンネロの後ろ姿を見送りながら、不思議そうに呟く。
「ヴァン?パンネロ、私はーーー」
ベッドから降りると、薄汚れた壁に掛けられた鏡を覗き込む。
「これはーーー」
鏡に映っていたのは、紛れもなくヴァンだった。
「ん・・・」
寝心地の良い夜具に思わず二度寝しそうになったが、無理矢理目を開けた。
「随分と、寝心地の良いベッドだな・・どこの高級ホテルだ、ここは?」
見渡すと、大きくはないが趣味のいいアンティークな家具が邪魔をしない程度に配置してある。
「こんな趣味の女と暮らしたいもんだ」
その時、扉が開きアーシェがにこやかに入ってくる。
「あら、気付いたのね。モルボルの毒で倒れたときは慌てたけど・・・どう?気分は」
「アーシェ・・てことは、ラバナスタの城か?」
「そうよ、久し振りでしょう?」
「久し振り?いや、始めてだけどな」
首を捻ると、アーシェは拗ねたような笑みを浮かべる。
「もう・・まぁ、いいわ。今、お茶を淹れるわね。トビーみたいに上手くないけど」
紅茶を淹れると、トレイごとティーポットとカップをサイドテーブルにのせる。
「はい、どうぞ」
手渡されたカップを鼻に近づけ、香りを楽しむ。
「・・うん、いい香りだ」
優雅に紅茶をすする姿に、アーシェはクスッと笑う。
「しばらく会わないうちに、仕草がキザになったわね。帝都ではいつもそうなの?バッシュ」
バッシュと呼ばれ、口に含んでいた紅茶を勢いよく吹いた。
「キャアーーっ!!」
「バ、バ、バッシューー!?」
悲鳴を上げるアーシェをよそに、音を立ててカップを乱暴にソーサーヘ置くと、洗面所へ急ぐ。
「なんだ、これは!?」
覗き込んだ鏡には、紛れもなくバッシュ・フォン・ローゼンバーグが映っていた。
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