ふたりのクリスマス
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ふたりの唇が、触れ合おうとしたとき
「おい、押すなよブラスカ。これからがいいとこじゃねえか!」
―――ん?
「だからじゃないか、ジェクト」
―――え?
「野暮なこと言ってっと、トナカイに蹴られるぜ」
「トナカイは君だろう?」
「へーへー、サンタクロースさま」
バタンッ――と大きな音を立てて、ティーダは窓を開けた。
「よ、よお」
「オヤジ・・・」
「やあ、ユウナ」
「お父さん・・・」
ジェクトは、しまったと顔を引きつらせたが、ブラスカはにこやかに愛娘に声を掛けた。
「なんなんスか、その格好?」
「何って、決まってんだろ。トナカイによ」
茶色のもこもこした着ぐるみに赤い鼻。頭には、角をつけたカチューシャ。随分と逞しいトナカイだ。
「私はサンタクロースさ」
にっこりと笑うブラスカだったが、衣装の色は何故か黒。
彼の笑顔に、ティーダはたじろいだ。
「・・・何しに来たの?お父さん」
「ユウナとティーダくんに、プレゼントを持ってきたんだよ」
「あ、選んだのは俺だかんな」
背中に背負った白い袋から赤いリボンのついた箱を取り出し、ティーダに放り投げる。
「あ、ありがと・・・オヤジ」
「いいってことよ。じゃあ、ジャマしたな!」
「・・・・・」
手を上げてジェクトは姿を消したが、ブラスカは何も言わずにじっとユウナを見つめる。
妻によく似た、美しい娘に目を細めると
「いや・・・なんでもない。ティーダくんと仲良く過ごしなさい」
「あ、お父さん!」
ユウナは、淋しげに立ち去った父を見送った。
「オヤジ、何くれたんだ?」
リボンをほどき箱を開ける。
「「・・・・・・・・・・」」
箱の中には、コン〇ームがぎっしりと並んでいた。
「あ、あのね。やっぱり、お父さん独りで淋しかってると思うんだ。だからね」
気まずい空気の中、ユウナが切り出すと
「そ、そうっスね」
ティーダは仕方ないと無理に笑顔を作った。
「ごめんね、また今度」
「うん・・・」
ブラスカを追いかけて走って行くユウナを見送ると、ティーダはガックリと肩を落とした。
「はあ~~ぁ・・・・」
ティーダ、ドンマイ!
「ドンマイ!じゃないッスよ~」
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