傀儡
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「あなたと私は、似ているのかもしれませんね」
「え・・?」
ただ、愛されることを望むだけ
大きな手が、アヤの頭を優しく撫でる。
小さな子供をあやすように、ゆっくりと。
頭を撫でていた掌が、背中に流れる長い髪に触れる。
黒い艶やかな髪を撫でながら、そっと胸に抱き寄せた。
「シ、シーモア様・・」
「アーロン殿の代わりに、私が護って差し上げましょう…」
アヤの身体がピクリと揺れ、俯いたまま動かなくなる。
ザナルカンド遺跡での真実を訴えるには、アヤの言葉は、力は、あまりにも小さかった。
そして、千年もの長い月日
スピラの民を先頭してきた寺院の言葉は、力は
あまりにも大きかった。
黙って、呑み込まれるしかーー
呑み込まれて、翻弄されるしかーー
恐い
恐い
護って欲しい
シーモアの掌が、アヤの背中を抱いた。
自分から、逃れないように
もう片方の掌が、アヤの頬に添えられる。
二人の視線が、絡まり合う。
穏やかな、悪意を秘めた瞳
その瞳から、目が離せない
咎人を断罪するその場所で
二人は、最初の口づけを交わした。
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