傀儡
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寺院の地下にある、
浄罪の路と浄罪の水路。
エボンに仇なす者の、罪を清める場所。
だが、それは名目に過ぎず。
実際には、反逆者の処刑場だ。
アヤも、その存在はとうに知らされていた。
「あ、あの場所はーー」
視線を泳がせ、アヤは戸惑う。
あの場所は、一部の僧兵と老師しかしらない。
何人の命を奪わない(たとえ、反逆者であろうと)エボンの教えを裏切る場所。
ジスカルの子息とはいえ、おいそれと、案内するわけにはいかない。
「見たいのです。自分への、戒めに」
「自分への?」
シーモアは、頷いた。
最近、法廷が開かれたと云う話しは、聞いていない。
それなら、使われていないだろう。
シーモアの穏やかだが、強い視線に負け
「内緒に・・していただけるなら・・」
条件を提示すると、彼は承諾した。
人目につかないように、地下へ降りた。
予想通り、水路には水が張られていないし、見張りの僧兵もいない。
アヤは、内心ホッとした。
もし、断末魔の叫び声でも聞こえようなら、逃げ出してしまう。
地下には、嫌な思い出があるからだろうか。
「私は、本来ここに落とされるベき存在なのでしょう」
水路を見下ろしながら、シーモアは呟いた。
「どうしてですか?」
アヤは、怪訝な顔で見上げる。
「グアドに、混乱をもたらしただけの私など、消えた方がーー」
「そんなことありません」
強い口調に、シーモアはアヤを見る。
「あなたが居なかったら、私は死んでいました。とても・・感謝しています」
シーモアは目を細め、わずかに口角を上げた。
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