傀儡
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【穏やかな悪意】
「お初にお目にかかります。シーモア・グアドで御座います」
マイカ総老師の前で、シーモアは膝まずき、深々と頭を垂れた。
マイカの斜め前方にいるキノックが、敵意を露わに、シーモアを見ている。
扉の近くには、伝説のガードとなったアヤが、所在なさ気に立っていた。
「うむ。詳しい事情は、父ジスカルより聞いておる。長きにわたる幽閉で、さぞやジスカルを恨んでおるだろう」
シーモアは顔を上げ、穏やかな瞳を向ける。
「いいえ、マイカ総老師。父が私と亡き母を追放したのは、仕方のないこと。
そうしなければ、歴史あるグアドの一族は、分裂していました。
その危機を避ける為ならと、私も母も、甘んじて処遇を受け入れておりました」
マイカはシーモアの言葉に、何度も頷いた。
「よく言うた。是からはジスカルを助け、寺院に尽くすがよい」
「その所存で御座います」
今一度、頭を下げるシーモアに、マイカは満足気に謁見の間を後にした。
マイカが立ち去るのを待ち、シーモアはゆっくり立ち上がる。
「キノック老師、これから父ともども、宜しくお願い致します」
自分に対し謙虚な姿勢を示すシーモアを、キノックは胡乱に見つめた。
「ふん。せいぜい、役に立つんだな」
捨て科白を残し、キノックは立ち去った。
ブラスカのナギ節で、シーモアは長い幽閉から解放された。
だが、グアドの中にも寺院の中にも、彼を好意的に見るものはまだ少なかった。
そんなことは、予想の範囲内だとばかりに、彼は薄く笑みを浮かべる。
シーモアは振り向くと、笑みを浮かべたままアヤに近寄った。
「アヤ殿、お久しゅう。怪我はもう、よろしいのですか?」
「あ、はい。その節は、お世話になりました」
アヤは、慌てて頭を下げる。
「何も仰らずにいなくなってしまわれたので、心配していました」
シーモアの笑みを、上目使いに一瞥し、また目を伏せた。
「申し訳ありません。あ・・ちょっと・・急いでいたので・・」
「アーロン殿は、戻られたのですか?」
「え!?」
弾かれたように、シーモアを見る。
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