それは、束の間の・・・
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寺院前の広場を抜け、参道の階段を駆け下りた。
足早に、キーリカの森を歩く。
別に、ドナの態度が気に障った訳ではない。
伝説のガードと呼ばれ、ブラスカを守ったと、崇められる事がつらかったからだ。
自分は、強くない。
魔法が使える分、僧兵より多少強い程度だ。
十年前の旅だって、ブラスカを守ったのは、アーロンやジェクトだ。
自分は、足手まといにならないように必死だった。
それだけだ。
そのアーロンも、行方がわからない。
ナギ節を齎したブラスカのガードとして、ジェクトやアーロンの分も、祀られる事が苦痛だった。
これが、ベベルから抜け出す為に、安易な気持ちで究極召喚の旅に加わった報いなのだろうか‥。
気がつくと、キーリカの森が終わり、居住区にさしかかっていた。
出発前に、彼らの顔が見たい。
彼らの側は、居心地が良かった。
自分を、伝説のガードとして崇める事なく、普通に接してくれたから。
酒場の前の桟橋に差し掛かると、怒鳴り合う声が聞こえた。
店から揉み合いながら、誰か外へ出て来る。
「何すんだよ!金ならあるって言ってんだろ!」
胸倉を掴まれて、店から追い出されたようだ。
「うるせえ!うちにはな、アルベドなんかに飲ます酒はねえよ!」
「なんだと!」
眼帯の青年が、店主の腕を振り払う。
「さっさと島から出てけ!」
「おい、止めろよ!」
連れの青年が、間に割って入る。
その後ろから、もうひとり、杖をつきながら出てくる。
「どうしたの?!」
「アヤ!」
駆け寄ったアヤに、店主は訝しんだ。
「あんた、ブラスカ様のガードのアヤ様かい?」
アヤは黙って頷いた。
「なんで、アルベドなんかの肩を持つんだ」
蔑んだ目でアヤを見る店主に、眼帯の青年は怒る。
「アヤの事を、悪く言うなよ!」
アヤは、ふたりの間に立つと、店主の顔を正面から見据えた。
「仲間だからです」
「仲間ぁ?あんた、寺院の人間だろうが!」
「そうです。でも、彼も仲間です。シンと戦う」
「アヤーー」
毅然としたアヤの態度に、店主は忌々しそうに顔を背ける。
「ちっ。わかったよ。とっとと行けよ。伝説のガード様!」
「行こう。船が出るよ」
アヤは、青年たちの腕をとった。
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