類は友を呼ぶ
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【類は友を呼ぶ】
「なんか、喰いもんねぇか?」
ジェクトは腹を押さえながら、情けない声を出した。
「じゃあ、寺院の中に行こう。もう1人紹介したい」
「何でもいいよ、メシが食えるなら」
移動中、ジェクトはよくしゃべった。
ブリッツの選手で人気があること、海にいて、気がついたらここにいたこと。
相槌を打ちながら、興味深く聴いていた。
面白い男だと、ブラスカは思った。
粗野で粗暴な振る舞いも、ひどく魅力的に映る。
話の中に、嘘がないことがわかるからだろうか。
人を騙せる程、複雑な考えが出来るように見えないと言ったら。
私としては褒めたつもりなのだが、彼はきっと怒るだろうな。
「ところでよお、さっきも聞いたが、ショウカンシってなんだよ」
「口で説明するより、実際に見た方が早いから、明日にでも見せてあげよう」
「そっか?わりいな」
前を歩くアーロンが補足する。
「召喚士とは、誰でもなれるものではない。選ばれた、ごくわずかな者だけがなれるのだ。貴様ごときが馴れ馴れしくするな」
「いいじゃないか、アーロン。私も堅苦しいのは、苦手だ」
「ショウカンシ様がそうおっしゃってるんだ、決まりだな」
「貴様!」
アーロンの怒りは右から左へ受け流し、ジェクトは続けた。
「ところでブラスカ、ガードってなぁ具体的にどうすりゃいいんだ?」
「簡単に言えば、私の護衛さ。君は、武術の経験はあるかい?」
「いや、ぜ~んぜん」
「ハハハ、でも運動神経は良いのだろう?出立まで、アーロンに鍛えてもらうといい。期待しているよ」
「みっちり鍛えてやる、覚悟しとけ」
「うげ~」
悪魔の笑みを浮かべるアーロンと、心底嫌そうなジェクトだった。
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