猫とアーロン
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【猫とアーロンとアヤ】
「おかえりなさい」
いつものようにドアを開ける。
『ただいま』って、アルトサキソフォンの声が、私の耳に心地良く響く。
ハズ、なんだけどーー
「みゃあ」
聞こえてきた可愛い声に、目の前に立っている人を確認する。
厚い胸板に鍛え上げられた腕、長めの髪に眉間のしわ。
間違いない、アーロンだ。
「アーロン、いつからそんな、可愛い声になったの?」
「にゃん♪」
返事をするように再度聞こえた声に、アーロンは懐に入れていた手を出した。
目に映ったのは、薄汚れた灰色の猫。目は金とブルーのオッドアイ。
「可愛い!どうしたの?」
アーロンの手から子猫を抱き上げた。
「拾ったの?飼っていいの?あ、ミルクあったかな。名前はどうする?
男の子かな?女の子かな?ねぇ、アーロン」
「アヤ・・」
「うん?」
「俺にもしゃべらせてくれ」
「あ・・ごめん」
取りあえず子猫にミルクを与え、自分たちも食事にした。
「ねぇアーロン、なんて名前がいい?」
「みけ。これ美味いな」
「三毛じゃないよ。ほんと?良かった!」
「じゃあ、シロ」
「それじゃあ、見たままだよ」
子猫はミルクを舐め終わって、顔を洗っていた。
「ジーンはどうだ?」
「ジーン?いいんじゃない?」
夕食も済み、食後の珈琲を淹れながらアヤは賛成する。
「アーロン、ノーマ・ジーンが好きなの?」
「あ、いや・・」
「綺麗だもんね、彼女」
珈琲をテーブルに置くと、子猫を抱き上げた。
「ジーン、一緒にお風呂に入りましょ~」
アヤと一匹は風呂場へ消えた。
アーロンは、不味かったかなとテレビに目をやる。
そこには、今、スピラで人気の女優、『ノーマ・ジーン』が写っていた。
グラマラスな肢体、白い肌、甘く少しハスキーな声、男性に絶大な人気を誇っている。
今日、キノックが騒いでいたから、名前を覚えていただけなのだが。
「アーロン、見て見て!」
自分の髪も碌に拭かずに居間に戻ってくると、タオルにくるまれたジーンを、ズイッと差し出す。
汚れが落ちて、フワフワした毛玉に、まんまるの目とピンクの鼻。
「白いな」
「もう、可愛いって言ってよ」
素っ気ない態度に、アヤは口を尖らせた。
「猫もいいが、おまえもちゃんと拭け」
肩にのっているタオルを取ると、アヤの頭をわしゃわしゃと拭いた。
「ん~。アーロン、私あした早いから、先に寝るよ」
「あぁ、わかった」
顎に手を添え上を向かせると、アヤが照れ笑いを浮かべて言った。
「ジーンが見てるよ」
丸い目が、じっとふたりを見上げている。
アーロンは、人差し指でジーンの鼻をつついた。
「見せつけてやればいいさ」
アーロンの唇が、そっと触れた。
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