沈む太陽
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ベッドで横になっていたジェクトは、ふたりを起こさないようにそっと宿舎を抜け出した。
海が見える場所まで歩いていくと、夜と同化する海と波の音に魅入っていた。
さっき、自分にまとわりついていた兄弟。
ワッカとチャップとか言ったか、の顔が浮かんだ。
親をシンに殺されたと言っていた。
こんな小さな島にもシンの恐怖はおとずれる。
気軽に旅についてきた自分の気持ちが、変わってきていることはわかっていた。
しかしそれを認めてしまうと、自分が一番願っていることが、かなわないことだとはっきりしてしまいそうでーー怖かった。
二度と会えなくなることが。
アイツらの知らない場所で、朽ちていく己が。
「ジェクト」
不意に声がした。
「アーロンか・・」
アーロンは何も言わず、ジェクトの隣に立った。
アーロンも、ジェクトが違う世界から来たことは、薄々感じていた。
でも、どうすれば帰れるのか、見当もつかなかった。
こんな時、ジェクトに何も言えない自分が恨めしかった。
「な~に、しけたツラしてんだよ。アーロン!」
ジェクトは、アーロンの背中を思い切り叩いた。
叩かれた衝撃で、アーロンの体は前のめりになった。
「おわっ!」
「ハハッ!わりぃわりぃ!」
ニヤリと笑うジェクトに、アーロンは
「貴様、わざとだな」
「ボサッとしてんのが悪いんだろ?」
してやったりと、いった顔だった。
「戻ろうぜ、アーロン。寝直しだ」
ジェクトはさっさと歩き出した。
「ありがとよ」
「何か言ったか?」
「何も言ってねーよ」
ジェクトの後ろ姿を、アーロンは黙ってみていた。
次の朝、ビサイド島を後にした。
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