珊瑚の思い出
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裏通りは大通りと違って、小じんまりした店が並んでいた。
バルーンの乗り場を眺めつつ、スタジアムへ向かった。
胸の前で、紙袋を抱えながら歩いていたアヤは、ある店の前で足を止めた。
「どうした?アヤ」
「あ、ううん。何でもないの」
すぐアーロンの元へいく。
「気に入った物でも、あったのか?」
「えと、その、うん」
ごまかしきれずに頷いた。
それを見たアーロンは、店に近寄ると扉を開けた。
「ア、アーロン?」
「入らないのか?」
「でも」
「買ってやる」
その言葉に、驚きながらも喜びを隠せなかった。
「いいの?」
アクセサリーを扱っている店で、女性の物がほとんどだったが、男性用のシルバーアクセサリーなども多少置いてあった。
「どれがいいんだ?」
アーロンに聞かれて、遠慮がちに指を指した。
「これ・・」
それは、店の窓枠にディスプレイしてある、珊瑚のピアスだった。
店員に勧められて耳につけてみると、珊瑚の赤がアヤの耳元を華やかに飾った。
お似合いですよと言われ、アヤは照れてアーロンを見る。
「ほんとにいいの?」
「あぁ。包んで貰うか?」
「ううん、このままつけていきたい」
「じゃあ、外で待っててくれ」
アヤが店の外へ出ると、アーロンは店員に話し掛けた。
ピアスをつけた耳を触り、頬を緩ませているとアーロンが店から出てきた。
スタジアムに向かって歩き出すと、アヤはアーロンを見上げて口を開く。
「アーロン、ありがとう。似合う?」
「店の者が、似合うと言っていたな」
「そうじゃなくて、アーロンの口から聞きたいな」
アヤがそう言うと、前を歩いていたアーロンが、急に立ち止まった。
そのせいで、後ろを歩いていたアヤがアーロンの背中にぶつかった。
「なに?」
驚いて見上げれば、アーロンの顔が近づいてきて、アヤは慌てて目をつぶった。
アーロンは「似合うな」とつぶやいた後、赤い珊瑚のピアスに唇を寄せた。
めずらしく甘く囁かれたアヤは、頬をバラ色に染め、そのまま動けなくなった。
「アヤ、いくぞ。ブラスカ様とジェクトが待ってる」
今度は、アーロンの頬が緩んだ。
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