いつかの願い
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「ユウナ・・」
ユウナは、照れくさそうに笑った。
「隣、いいですか?アーロンさん」
「あぁ」
アーロンの隣に腰を下ろしたユウナは、自分とアーロンの間に手にした盆を置いた。
「アーロンさん、どうぞ」
酒を手にしたユウナに、アーロンは目を丸くした。
「おまえが酌をしてくれるのか?」
「はい、ルールーに教わってきました。あんまり、上手じゃないけど」
「・・・」
アーロンは、盆の上のぐい呑みを手に取った。
真剣な顔で酒をつぐユウナに、目を細める。
こぼさずにつげたことにホッとしたユウナは、ゆったりと酒を口に運ぶアーロンを見つめた。
ひとくち含んで味を確かめた後、一気に煽った。目を閉じて、胃の腑が熱くなるのを感じる。
「うん、うまい」
そう言ってユウナを見れば、良かったと口元がほころぶ。
緊急がとけたのか、さっきより危なげない手つきで酌をした。
「そういえば、アーロンさんとふたりでお話するの、はじめてですね」
「・・そうだな」
「私、アーロンさんに一度聞いてみたかった事があるんです」
「? なにをだ」
アーロンは、ユウナの青と翠のオッドアイを見つめた。
「私のお母さんて、どんな人でした?」
「おまえの母親か・・」
アーロンは視線を月に移し、昔を思い出すように遠い目をした。
「綺麗で、優しい人だったな・・寺院は、あの人を歓迎はしなかったが、愚痴や不満をもらすわけでもなく・・いつも笑っていた」
「そうですか・・」
「おまえは、あの人によく似ている」
「ほんとですか?」
思わず身を乗り出した。
「嬉しいです。そう言っていただけて」
ユウナは胸元で揺れる、花の首飾りのように微笑んだ。
アーロンは、少し眩しそうに視線を逸らした。
「ユウナ、明日がある。そろそろ休め」
「はい、そうします。アーロンさんも、ちゃんと休んでくださいね」
ユウナは盆を持って立ち上がった。
戻りかけたユウナをアーロンは呼び止めた。
「ユウナ」
「はい?」
振り返えると、アーロンは向こうを向いたままだった。
「ありがとう」
その言葉の意味を理解したユウナは、嬉しそうに言った。
「みんなにも伝えておきます!おやすみなさい、アーロンさん」
ユウナは足早に戻っていった。
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