11話 罪と罰
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「アヤ、アーロンは丸腰だ。キマリの代わりに、守ってやってくれ」
「キ、キマリ?」
焦るアヤの制止を気にもとめず、キマリは足早に旅行公司へ戻ってしまった。
アーロンは俯いているアヤに近づくと、静かに語りかける。
「アヤ、10年もの間、なんの沙汰もしなかったことの言い訳はしない。ただ、これだけは正直に言ってくれーーおまえを傷つけた俺が、憎いか?」
真っ直ぐに、自分を見据えるアーロンの琥珀に、アヤの紫闇が揺れた。
「・・・った」
「?」
俯いて呟いた声は、小さ過ぎてアーロンに届くはずもなく。聴こえなかったアヤの声にアーロンは耳を寄せる。
「・・かった・・たとえ、あなたに
嫌われていても、もう一度逢いたかったーー」
その言葉に、アーロンはアヤの頬に手を添えると、そっと顔を上げた。
アヤの瞳に自分の記憶から、10年としを重ねたアーロンが映る。
髪が少し白くなって目尻に皺が出て、眉間の皺は相変わらずだが、口元が皮肉っぽく上がるようになった。
片方だけになった琥珀の瞳は、以前と変わらずに、アヤを優しく見つめている。
懐かしさと愛しさが込み上げて、涙が溢れ出る。
アーロンは、アヤの瞳から零れ落ちる涙を指で拭い、抱き寄せようと肩に手を置いた。
アヤのからだが、微かに震える。
「アヤーー怖いか?」
アヤが顔を左右に振ると、新たに溢れ出た涙が、ふたりの間にはらはらと散った。
アーロンはゆっくりと、アヤのからだを引き寄せると、両腕を華奢な背中に廻す。
アヤがアーロンの胸に頬を寄せると、彼女の長く、まだ乾ききっていない黒い髪に顔をうずめた。
アーロンは髪に口づけを落としながらアヤをきつく抱きしめた。
next あとがき.
