10話 旅の再開
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アーロンは、みんなから離れた場所に移動すると、徐に口を開く。
「単刀直入に聞く。シンのことを、どう思っている?」
アヤは俯いたまま答える。
「あれは・・ジェクトでしょう?アーロン」
顔を上げて広い背中を見れば、否定も肯定もしなかった。
アヤはそれを肯定と受け止めた。
「10年前。偶然、復活したシンを見たわ。
夕陽の中で、静かに海に消えていったシンにーージェクトを感じた。その時は、気のせいだと思った。
でも、それから寺院の警護を命令されて、各地で何度かシンと遭遇したの。
そのたびに同じように、ジェクトを感じた。
シンは、討伐隊の中に私がいると・・何もせずに、消えるの」
アーロンは、やっと振り返った。
閉じられた右目に悲しみを湛えて。
アヤは、その目のことを、問いただそうとはしなかった。
「おまえは僧兵ではない。拒否しなかったのか?」
「知りたかったの。真実が」
アヤの語尾が震える。
「あなたが、あの子をジェクトの息子だから連れて来たって言った時に、確信したわ。シンは、ジェクトなんでしょう?」
アーロンは、しばしアヤと視線を絡ませた後
「あぁ、そうだ」
と、悲し気に呟いた。
やっぱり・・とアヤは眼を伏せた。
アーロンはアヤとの距離を縮めると、唐突に聞いた。
「アヤーー俺を恨んでいないのか?」
「あ・・」
返事を言い澱んだアヤの耳に、ティーダの大声が突然聞こえて来た。
「アハハハハハハ」
二人は驚いて声のする方を見た。
少し間を開けて、また聞こえて来た。
「な、何?」
今までの深刻な空気はどこへ行ったとばかりに、アヤはアーロンと顔を見合わせた。
「アハハハハハハ」
今度はユウナの声も聞こえて来た。
再び聞こえて来た声に、アーロンは眉間の皺を深くして言った。
「何をやっているんだ、あのバカは」
アーロンの顔を見上げて、アヤは思い出した。
辛く悲しみが待っていた旅を、笑いの絶えない旅にした彼を。
やはりティーダは、彼の息子だ。
「ふっ」
思わず吹き出したアヤに、アーロンは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「アヤ」
笑っているアヤに、アーロンは呆れて声をかける。
「いくぞ。あのバカ共を止めて、出発だ」
うやむやになった言葉を胸にしまい、自分を追い越していく背中をアヤも追った。
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