8話 際会 1
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スフィアプールに魔物が出現すると同時に、観客席にも魔物が姿を現した。
突然の乱入に、逃げ惑う観客たちで、スタジアムは混乱した。
「マイカ総老師、避難して下さい。シーモア老師も此方へ」
「ええ、マイカ総老師、行きましょう」
アヤは、マイカとシーモアはつれて、奥へ避難した。
スフィアプールの中では、ティーダとワッカが奮戦していた。
オーラカとゴワーズの選手が避難したのを確認すると、二人も出口に向かった。
入場ゲートから、一旦メインゲートへ抜けた。
観客席から次々と逃げてくる人々の中に、ユウナとルールーとキマリを探した。
「いないな」
「まだ、中に居るのかもしれない。いってみよう!」
二人は避難する人々に逆走して、スタジアムの中に入っていった。
スタジアムの中では、貴賓席の近くにヴィーヴルと呼ばれる、竜の魔物が現れた。
客席にも出現する魔物に、客たちは右往左往した。
しかし、ヴィーヴルから逃げる人の流れの中で、ひとり、動かない背中があった。
スタジアムを徘徊する、鳥の魔物がおこす風に、朱い服がはためく。
右肩に乗せた太刀が鈍く光るのは、この朱の男の高揚のせいだろうか。
ヴィーヴルが、金色の目を光らせながら男を舐めあげる。
それを受け、体ごとゆっくり向きを変えると、懐かしさをこらえる様に微かに笑う。
そのまま片袖を抜ぐと、逞しい左腕を表わにし、低く構えた。
向かってくるヴィーヴルを、余裕のひと太刀で消し去った。
魔物がいた方へ歩き出すと、降って湧いたように、新たに魔物が出現した。
今度は一体ではなかった。
男が貴賓席の真下で魔物に囲まれているのを、マイカを避難させたアヤが、上から見ていた。
徐に手すりに足を掛けると、黒い髪をたなびかせて下へ飛び降りた。
腰にさした剣を抜くと、朱の男と背中合わせで、魔物と睨みあう。
男は、ふいに訪れた背中の温もりに、思わず名を呼んだ。
「アヤーー」
next あとがき.
