8話 際会 1
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ワッカは、控え室のベンチに横になっていた。
試合で負ったケガは、まだ癒えていない。そこへドアが開いた。
「待たせたな!」
ティーダに続いて入ってきたユウナに、ワッカは上半身を起こす。
「ユウナ、ケガは?」
ユウナはワッカの前にいくと
「心配かけちゃて・・ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!」
ごめんなさいの数だけ、頭を下げた。
「なんだって、アルベドなんかに連れていかれるんだよ」
「もう、その話はいいだろ。無事だったんだし」
事情を知らずアルベドを謗るワッカを、宥めるようにティーダは口を挟んだ。
「もうアルベドとは、口をきくなよ。面倒に巻き込まれっからな」
「うん・・」
ユウナは目を伏せ、頷いた。
ワッカは立ち上がると、メンバーに向き直った。
「今の内に言っとく。決勝戦が終わったら俺は引退する。結果は関係ねえ、勝っても負けても引退だ。
でもよ・・せっかくだから、優勝してえよなあ。」
「「おう!!」」
「そこでだ。決勝戦は、こいつに任せる」
ティーダの肩を叩いた。
「俺は、わりぃがベンチだ。でも、ここまできたら優勝だ!頼んだぜ!!」
「「おう!!」」
みんなが控え室から出るのを見送り、部屋にはワッカとルールーだけが残った。
ルールーはワッカの隣りに来ると、ドアに視線を向けたまま言った。
「気絶してるとこ、みちゃった」
それは責めではなく、ワッカの健闘を労う気持ちだった。
「チェッ、カッコつけどころだったのにな」
ルールーの気持ちを嬉しく思いながらも、ワッカは強がりを言った。
後を続けようとした、ワッカの視界がぐにゃりと歪み、意識が遠のいた。
倒れるワッカを、ルールーはしっかりと抱きとめた。
ルールーは、しばらくワッカを抱きしめたあと、ポツリと呟いた。
「あんたは、あれでいいんだよね」
そう言って、目を閉じた。
あんたは、チャップのかわりじゃない・・
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