1話 無頼
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コップを恐る恐る近づけ、少量口に含み、飲み下す。
酒で湿った唇を、舌で舐めながら
「ん~どう、うまいのかよくわかんないけど、まずくはないっス」
「なんだそれは」
ティーダが、酒を飲む様を眺めていたアーロンは、呆れ顔で言った。
「まだまだ子供だな」
ため息まじりに呟けば
「その子供に酒飲ませてるのは、どこのオッサンスか」
「そうだったな。まぁ、そのうちわかるようになるさ。それ全部飲めよ」
「ン」
残った酒を何度かに分けて、少し顔をしかめて喉に流し込んだ。
飲み干したコップを手渡しながら
「こうやって、よく独りで考え事しながら呑んでるけど、なに考えてんの?」
慣れない酒に、早くも顔を赤くしながら訊ねた。
「なんだ、気になるのか?」
受け取ったコップに手酌をしながら、質問に質問を返した。
「アーロン、自分の事、全然話さないじゃないか」
ふたりの間に沈黙が落ちた。
ティーダは、黙ったまま酒を呑むアーロンの横顔を、ちらりと盗み見ると
「話したくないなら、い~スけど」
少し拗ねたように、口を尖らす。
「ジェクトがいたら、こうしておまえと酒を酌み交わしていたのは、あいつだったろうな」
「なんだよ突然。オヤジの話はいいよ」
不機嫌を隠そうともせず、そっぽを向いた。
「そうか・・」
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