7話 ルカ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
漆黒の髪、深い紫の瞳、腰に刺した2本の剣。
幼かった顔立ちはすっかり大人びたが、ユウナにはアヤだとすぐにわかった。
10年前から幼かった自分に代わり、キマリが何度もベベルへ足を運び、懇願した。
ビサイドで一緒に暮らして欲しいと。
でも、いい返事は貰えなかった。
それどころか、会いに来ても貰えなかった。理由を尋ねても
『ユウナに会わせる顔がない』
の一点張りで、旅の話も聞かせて貰えなかった。
10年分の想いが溢れて、言葉にならなかった。
そんなユウナの気持ちをよそに、アヤはマイカの後ろに静かに佇んでいた。
タラップを降りたマイカは、ゆっくりとよく通る声で話し始めた。
「盛大なる歓迎、まこと感謝にたえぬ。立たれよ、シーモア老師。皆も顔を上げよ。この青年はーー」
顔を上げ、シーモアは民衆に向き直った。
一礼したあと穏やかな笑みを湛え、一同を見渡した。
「先頃、異界の住人となったジスカル・グアド老師の遺児である。
すでに知る者も多いが、こたび正式に、エボンの老師となった」
「恐れ多くも、老師の位を授かりました、シーモア・グアドと申します。
生前、父ジスカルは、ヒトとグアド族の友好をなにより望んでおりました。
志半ばで倒れた、父の理想を実現すべく、身命を賭して職務に励む所在にございます」
その言葉に、マイカは満足そうに頷いた。
祈る民衆を見渡すと、そのままスタジアムへと向かった。
後へ続くアヤに声を掛けようとしたユウナは、シーモアと目が合った。
シーモアはユウナに対し、含み笑いを浮かべた。
ユウナは、シーモアの笑みにあてられたように、足が竦んでしまった。
「知り合い?」
「え?」
ティーダの声に我にかえる。
「名前、呼んでたろ?」
「うん!あの人がねーー」
「うっし、試合前のミーティングだ。いくぞ!」
「あ、わるいユウナ、またな」
「うん・・」
.
