51話 終焉
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ヴァルファーレの身体から抜け出たエボン〓ジュが、ついにその実体を露わにした。
黒い楕円の身体にエボンを意味する経典文字を浮かべ、昆虫のように生えた12本の足を動かし、空中にふわふわと浮かびティーダたちを見下ろしている。
その姿は、とうに人としての形を失っていた。
それでも尚、ザナルカンドを召喚し続ける思念の塊と化し、この世界に執着している。
千年もの間、スピラに死の螺旋を描いてきた大召喚士の末路は、あまりにも矮小だった。
「みんな!」
呼びかけに、皆は一斉にティーダを見る。
「一緒に戦えるのは、これで最後だ。宜しく!!」
「へっ!?」
突然の発言に、ワッカは呆気にとられる。
「なんつったらいいかなーーエボン〓ジュを倒したら俺、消えっから!!」
「あんた、なに言ってんのよ!!」
訳が分からないと、ルールーは甲高い声を上げる。
ユウナは唇を開きかけたが、何も言えずティーダを見詰めた。
自分を見つめる青と緑の瞳を見詰め返しながら、ティーダは歩を進める。
全員の前に立つと、フラタニティをひと振りし
「サヨナラってこと!!勝手で悪いけどさ、これが、俺の物語だ!!」
ティーダは助走をつけると、高く高く翔んだ。
「でぇやあああああっっーーーー!!!!!」
・・
祈り子たちは、その時を静かに迎えた。
ビサイト寺院
ジョゼ寺院
マカラーニャ寺院
ベベル寺院
そして、パージエボン寺院
エボン〓ジュの召喚が終わりの時を迎え
寺院の深層で夢見ることをやめた祈り子たちは、揺らめきながらただの石碑に変わっていった。
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