50話 オヤジの背中
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シーモアを異界へと送り出した後、更に奥へ進んだ。
幻光虫は、スピラでは観たことのない、建造物を造り出している。
ジェクトのザナルカンドへの想いが、強く影響しているのだろうか。
「近いなーー」
彼の想いを感じ取ったのか、アーロンが呟いた。
「げっ!ひとつ目コウモリ!!」
突然現れた浮遊する魔物に、リュックは後ずさった。
大抵の魔物は倒せる程、リュックの腕は上がっていたが、翼のある魔物は苦手だった。
リュックやキマリは、攻撃が届かないからだ。
「おりゃあ!!」
「引き裂け!稲妻!」
ワッカとルールーは攻撃を開始する。が、アヤは、二人だけでは不利と判断した。
「私もいくわ」
一瞬、後ろに居るアーロンに、視線を移したその時
「ーー!アヤさん!!」
「アヤさん!避けて!」
ワッカとルールーが叫んだ。
「え?」
振り返ったアヤに、巨大な目玉から放たれた光線が浴びせられた。
「キャアッ!!」
「アヤ!!」
弾き飛ばされた身体を、アーロンが後ろで受け止める。
ドンッと、胸板にぶつかり跳ねるアヤの身体を抱き締める。
そしてそのまま、アヤの太腿に巻き付けてある、ホルダーから素早く銃を抜く。
ドンッドンッドンッと、連続で発射音がした。
硝煙の匂いと共に魔物が消えると、アヤはホッと息を吐く。
アーロンが片手で銃を傾けると、シリンダーから薬莢が転がり落ちた。
「ありがと、アーロンーーて、全部撃っちゃったの!?」
「グリップが薄過ぎだ。トリガーへのリーチが短いから、連射になってしまう」
シリンダーを戻すと、しげしげと銃を眺める。
胸に凭れるように、アヤはアーロンを見上げた。
「だからってーー」
「あ~あ、やってらんねーっての」
頭の後ろで両手を組んだティーダが、抱き合う二人を追い越した。
「新婚さんだからね~」
ニコニコと笑いながら、ユウナが後を追う。
「ハア~あっついあっつい」
パタパタと手で顔を仰いで、リュックが通り過ぎた。
「先に行ってます」
「お二人さん、ごゆっくり~」
前方に居たワッカとルールーは、にこやかに手を振った。
「・・・・・」
キマリはアーロンとアヤを一瞥すると、尻尾を振りながら歩いて行った。
皆の後ろ姿を見送りながら、アヤは唇を尖らせた。
「もう・・アーロンのせいだからね」
そう云いながらも、腕の中に納まり続けるアヤに
「あぁ・・すまん」
アーロンは微笑んだ。
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