1話 無頼
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「アーロン」
振り向く彼の前に、皿を突き出した。
「つまみ、作ってきた。」
持っていた皿を手渡すと、隣りに腰を降ろす。
「フッ、すっかり主夫だな」
一切れ口に放り込んだあと、料理の腕は上がらんがな、と憎まれ口を叩く。
「アーロンに言われたくないっスね。面倒を見に来たとか言いながら、な~んも出来ない誰かさんより、ず-っとましっスよ」
作ってきた夕飯を頬張りながら、ボヤいた。
「そいつは、すまなかったな」
しれっと言い放つ。
「全っ然、思ってないくせに」
肯定するように口の端を上げると
「機械を使って飯を作るのは、苦手なんでな」
「あ~レンジやらトースターやら、よく壊したなよな」
その時を思い出し、クックックと笑った。
「其れより、偶にはどうだ」
さして悪びれもせず、コップを差し出した。
「えっいいの?いつもその酒持ち歩いてるから、気になってたんだよな」
持っていた皿を下に置き、嬉しそうにアーロンに滲り寄った。
左手を支えに、ティーダの方へ体を傾けると、ほれと酒を突き出す。
両手で包んだコップに、少し神妙な顔で酌をうける。
三分の一程つがれた酒を、ゆっくり口に運んだ。
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