50話 オヤジの背中
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ユウナが異界送りの舞いを始めると、シーモアは、自分を見つめるキマリとリュックに向かって口を開いた。
「私が、アルベドとロンゾにした殺戮を、赦して欲しいと思ってはいない。
だが、憎むのは私だけにしてはくれまいか。グアドを・・憎まないで欲しい。
身勝手な頼みだがーー」
グアドの長として、一族を先導したことを詫びた。
そのシーモアには、キマリは
「お前がロンゾにした事を、キマリは赦すことは出来ない。
だが、憎しみに捕らわれていては、未来を視ることは出来ない。
憎しみの螺旋は、キマリで終わらせる」
そう云うと、リュックを見下ろした。
「そりゃあ、カヤック達が死んだのは悲しいし、ホームがなくなったのもムカつくけど。でもーー」
俯くと、消え入りそうな声で呟いた。
「でも・・あたしもーーキマリと同じ気持ちかな」
それを聞いたシーモアは、キマリとリュックに、深々と
「ありがとうーー」
徐々に、幻光虫に姿を変えていくシーモアは
その薄れ往く身体で、アヤに向かって両手を差し出した。
「アヤ・・」
アヤも、手を差し伸べる。
優しい腕に 暖かな胸に 幻光虫は我先にと絡み付いた。
「私も・・貴女を―――」
微笑みを浮かべた唇が、耳元で囁いた。
「さよなら・・シーモア」
最後は、“人”としてーーー
人の心があるうちに
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