50話 オヤジの背中
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それはーー
突入したと云うより、シンに引き寄せられ、呑み込まれたようだった。
目映いが穏やかな光ーー
ティーダが、ザナルカンドからこのスピラに運ばれた時のように
あの時はーー
訳が分からず、気が付いたらシンの中に居た。
だが今はーー冷静に辺りを見渡す。
雲のように高濃度の幻光虫が浮かび、星のように流れ去って行く。
「うわ―っ!きれ―!」
青白く異界を漂う時と違い、鮮やかな彩りを纏った幻光虫に、リュックは歓声を上げる。
それ程までに、この世界は美しく。
まるで、シンと云う名の宇宙を漂っているような錯覚を起こした。
フッフッフッフッフーー
シンの体内を突き進むティーダ達の耳に、突然、聞き覚えのある声が響いた。
と同時に、前方の幻光虫が巨大な瞳へと姿を変える。
闇に覆われたその瞳を、コンチネンタル・サーカスは突き抜けた。
「い、今のってーー」
一瞬の出来事だったが、錯覚などではない。
リュックは、恐る恐る問いかけた。
通り過ぎた嘲笑を、振り向き様ルールーが睨みつける。
「やはりーーな」
アーロンは後方に一瞥をくれると、哀し気に見送っているアヤを見つめた。
その視線に気付き、アヤもアーロンを見つめる。
「アーロン・・」
彼女の心中を察し、アーロンはそっと肩を抱いた。
シンの体内に碇泊したコンチネンタル・サーカスから、下船した。
ここから先へは、自らの脚で進むしかない。
「オヤジ!!どこにいる!!」
辺りを見渡しながら、ティーダは怒鳴った。
だが、返事はない。
「此方から、出向くしかあるまい」
ティーダを追い抜き、アーロンは先を歩く。
「よし、前進あるのみ。行こう!!」
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