50話 オヤジの背中
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大地に身を横たえていたシンは、ゆっくりと首を持ち上げると
疳高い、機械のような咆哮をあげた。
コンチネンタル・サーカスは、旋回を続けながらシンに近づいた。
「ジェクトが、闘っているーー」
啼き続けるシンに、アーロンが云った。
「エボン=ジュと?」
寄り添うアヤも、シンを見つめる。
「あぁーー自分が、自分で在るために」
息子を待ちわびる変わり果てた父の姿を、キマリたちも、黙って見つめていた。
シンは身体を浮かせると、背鰭の下から翅を広げた。
白い百合の花びらのような四枚の羽根は、禍々しいシンの身体には、不釣り合いに美しかった。
そのまま静かに移動し、シンはベベル寺院の上空に停止した。
薄紫に染まる空に、シンの身体が黒いシルエットで浮かび上がる。
そのシンに対峙したコンチネンタル・サーカスを見守るベベルの人々の胸によぎるのは
スピラの
それとも
シンの滅亡かーー
「ジェクトは、待っているようだな」
ティーダとユウナがブリッジへ戻ると、振かえらずにアーロンが云った。
思いがけない早い復活に、シドは狼狽える。
「オレたちゃ、どうすりゃいいんだ。言っとくが、援護は出来ねえぞ。まだ、主砲の修理が終わってねえ」
「もう、どうしようもないだろ。正面からいく!!」
毅然としたティーダの声に、視線が集まる。
ルール―が、紫の
リュックは、いつもと変わらない靨を見せる。
ワッカは、おどけてブリッツボールをキャッチするポーズを取った。
それを見たティーダは、笑みを洩らす。
キマリは無言で、信頼に満ちた視線を送る。
ユウナも、決意を新たに頷いた。
アヤは、隣りに居るアーロンを見上げる。
「行こう」
低く響いた声に、ティーダは大きく頷いた。
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