50話 オヤジの背中
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シンが墜ちた後、コンチネンタル・サーカスは、ベベルの上空をゆっくりと旋回していた。
「リュック、やったな!!」
ブリッジに戻って来たユウナたちを、歓声が出迎えた。
リュックはガッツポーズをとると、アルベド族の仲間と喜びを分かち合う。
そんな中、ユウナはモニターに映る、動かないシンを見ながら呟いた。
「復活ーーするかな?」
「多分な・・」
ユウナの横を、荒々しい足音を立てながらティーダが通った。
それを肯定するように、アーロンも呟く。
「これで終わりとは、思えんーー」
「うん・・」
アヤも、厳しい表情で頷く。
「シンは生きている。キマリにはわかる」
キッパリ言い放ったキマリに、シドは
「なんでえ!?そうなのかよ!!」
一際、甲高い声を上げた。
「あんだけ叩いときゃ、もう復活しねえんじゃねえのか?」
「シンの中にいるヤツを、倒さなくちゃならない!!」
ワッカの見解に、ティーダは声を荒げる。
リュックと共に浮かれていたワッカは、その言葉にハッとする。
「そうーーだよな。これだけで倒せたら、討伐隊だって苦労しねえよな・・」
「ナギ節を祝うのはまだ早いけど・・でも、シンを弱らせたのは、確かじゃない!?」
浮かれ気味だったワッカは、すぐに目の前の現実に眼を向けた。
それでもルールーは、少しでもシンに報いる事が出来た喜びを隠さない。それに、リュックが賛同する。
「そうだよ、そうだよ!!」
歌うように叫び、ティーダに駆け寄った。
リュックの笑顔に、ティーダの堅い表情が少し和らぐ。
「おっし!今の内に主砲の修理だ!!」
シドは、足早にブリッジを出て行った。
その背中に、リュックはポツリと言った。
「オヤジの機械って、肝心な時に故障すんだよね」
アーロンとアヤは、ベベルの街を見つめていた。
モニターで見ている限り、ベベル寺院に動きはない。
がーーー
おそらく、内部は相当混乱しているに違いない。
マイカが姿を消した後、寺院を統べる者は誰もいないのだから。
民衆は訳も分からずに寺院に集まり、ただ事態の成り行きを見守っているのだろうか。
ユウナはくるりと踵を返すと、黙ってブリッジを出て行こうとした。
「ユウナ、どこ行くッスか?」
「ちょっと、外の空気吸って来る」
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