49話 永遠の陥落
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リフトで甲板へ上がる。
飛空挺の廻りは 空も海も 痛い程、眩しい蒼。
その蒼を流れる真白な雲。
ーーあぁ・・・最高の日だ
こんな空の下で試合が出来たら、さぞかしーー
「聞こえるよ!!」
いちばんに甲板に飛び出したリュックが言った。
「ほんとだわ!!」
耳を澄ませていたルールーも、声を弾ませる。
「みんな、歌ってくれてる」
ユウナが、嬉しそうにアヤを見る。
「ええ」
アヤも頷いた。
「スピラ中が、俺たちを応援してるんだ。最高の試合しようぜっ!!」
興奮したワッカが、眼を輝かせる。
「期待に答えるッス!!」
ティーダは、ユウナに近寄って行った。
「ユウナ」
「うん?」
「これ、もういらないだろ?」
ポケットから、小さなスフィアを取り出した。
ガガゼト山を越え、ザナルカンド遺跡への道でユウナが落としたスフィアだった。
「あっーー!!」
自分が録ったスフィアだと思い出し、慌てて袂に手を入れる。
あのスフィアにはーー
ユウナは、恥ずかしさに顔を赤くする。
「いらないよなっ――!!」
そう、決めつけるように言うと、ユウナの返事を待たずに空に投げた。
スフィアは、あっという間に雲の海に沈んだ。
それを見届けると、振り返って笑った。
驚いた顔をしていたユウナも、ティーダを見てーー笑った。
その時、飛空挺が激しく揺れた。
「おいおいおいーーなんかヤバいぞ!?」
前方のシンが、空中に重力波を発生させていた。
空が歪むーー
上空に発生した重力に、雲も海も、引き寄せられた。
海に亀裂が入る。
「ーーっ!!!!」
リュックは、声にならない悲鳴を上げた。
シンを中心に、放射線上に幾筋も天地が裂けた。
その裂けた道を、シンから放たれた重力波が突き進む。
引き寄せていた重力が消え、海水が凄まじい速さで大地へ押し寄せた。
緑はえぐり取られ、大地は赤い血を流した。
飛空挺にも、津波のように海が襲いかかった。
「うわっ!!」
「キャアーー!!」
波に押され、甲板へ倒れ込む。
そのまま流されそうになるユウナに、ティーダは手を伸ばした。
「ユウナ!掴まれ―!!」
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