48話 思い出
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ユウナとティーダの後から、皆はゆっくり歩いて来る。
「あらあら、随分甘えん坊ね」
初めて見るユウナの甘えた姿に、ルールーは笑う。
「あんなユウナ、はじめて見るな」
ワッカが呟いた。
「ええ・・」
大召喚士ブラスカの娘ではなく、ひとりの娘になったユウナ。
その姿を、ふたりは感慨深く見つめた。
ふたりの横を、リュックが走り抜けて行く。
アーロンは、ユウナを下ろした。
「あ~!!」
リュックは、アーロンの左手の薬指に光る指輪を、目敏く見つけた。
アヤの薬指にも指輪があることを確認すると、ふたりを交互に見て、眼を輝かす。
「ふたりで指輪してる。ねえ!結婚したの!?」
その言葉に、ユウナも驚いてアヤを見る。
「うん・・」
アヤが小さく頷くと、リュックとユウナが歓声を上げる。
「ステキ!!」
「おめでとー!アヤ!」
「おめでとうございます、アヤさん」
次々に祝いを述べる皆に、アヤは頬を染める。
「アヤ。アヤが笑顔でいると、キマリも嬉しい」
「キマリ・・」
キマリは、アーロンのことを知っていたんだ。十年も前から。
今なら、彼がどれだけ自分を気づかってくれていたか、よくわかる。
きっとこの旅でも
自分を
アーロンを気づかってくれていたに違いない
「ありがとう・・キマリ」
「アーロンさん、おめでとうございます」
ワッカがアーロンの隣りに来た。
礼を言おうと、アーロンはワッカの顔を見る。
にこにこと笑う彼に、ふっと、笑みを洩らした。
「おまえたちもーーだろう?」
「えっ!?」
意味深なアーロンの科白に、ワッカは狼狽した。だが、すぐに
「シンを倒したら、アイツと一緒になります」
頭を掻きながら、すまなそうに告げた。
「それがいい。ブラスカの願いは、悲しみを消すことだった。
ジェクトの願いは、ブラスカの願いを叶えること。
そして、スピラに暮らす人々を護ることーー
お前たちのことも、きっと喜んでいるさ」
「はい」
アーロンとアヤを中心に、祝福の輪が出来る。
素直に喜びを表すアヤ
仏頂面の下で、照れているアーロン
ふたりを見つめていると、平原を風が渡った。
ナギ平原の風にそよぐ、アヤの髪
そよいだ髪の間から、見え隠れするうなじの赤い痕
その赤い痕が、アーロンの誰にも言えない想いのように感じた
誰にも言えない、アーロンの想い
この世への 未練ーー
「ねえ!結婚式しようよ!!」
リュックが、突然言い出した。
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