48話 思い出
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向かい合い、シャワーを浴びた後のまだ湿った髪を優しく梳きながら、アヤは静かに口を開く。
「ねえ・・ユウナが召喚士になってなかったら・・どうするつもりだったの?」
アーロンは、ふっと笑い、ナギ平原の遥か彼方を見る。
「さあ・・な。あの娘は召喚士になっている。そう、信じて疑わなかった」
視線を、アヤに向けた。
ちょうど髪を結び終わった彼女も、アーロンを見つめた。
「おまえは、どうなんだ?」
「え?」
アーロンは、アヤの言葉を待った。
アヤは、額を彼の胸に押し当てると、目を閉じた。
「ねえ・・ナギ平原で言っていた、アーロンの覚悟ってーー」
旅行公司を後にする前の晩、改めて問われたこと。
「あいつらに、真実を告げる覚悟だ」
額はそのままに、わずかに眼を開けた。
「ーー私はこの十年間、誰のガードも引き受けなかった。
ザナルカンドが、怖かったから。
また、ユウナレスカに、究極召喚の祈り子になれと言われることがーー」
「・・・・」
左手で、アヤの髪を撫でる。
「でも、ユウナが従召喚士になったって聞いてーー
私が、ユウナの祈り子になろうと決めたの。それが、私の覚悟よ」
「アヤ・・もう、誰も祈り子にならなくていいんだ。
ユウナたちと共に、悲しみの螺旋を断ち切ろう。スピラの悲しみを、全て」
「はい」
アヤが、アーロンの首に腕を絡める。
アーロンは、片手で彼女の腰を抱き寄せた。
眼を閉じるとすぐに、ふたりの唇は重なった。
ふたりの熱い口づけを邪魔するように
コンチネンタル・サーカスが風を巻き上げて降りて来る。
その舞い上がる風がやむまで、ふたりは唇を離さなかった。
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