48話 思い出
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「おはようございます・・」
いつもより随分遅い起床に、少しバツが悪そうにユウナがキャビンに現れた。
それは皆も同じらしく、まだ、誰も朝食を取っていなかった。
「ユウナんおはよ、朝ごはん出来てるよ」
沈みがちな空気の中、リュックが明るく言った。
ともすれば、黙りがちになる食事中も、彼女は喋り続けた。
「リュック、元気だね」
食事が終わり、後片付けをする彼女を手伝いながら、ユウナは呟いた。
夕べ、キマリが打ち明けた事実に
ユウナは、なかなか寝付けなかった。
「うん。だって、暗い顔でアヤとおっちゃんを、迎えに行きたくないもん」
うっすら出来た目の下の隈が、リュックもあまり眠れなかった事を物語っている。
それでも明るく振る舞う彼女に
「そうだな。一丁アーロンさんを冷やかしに行くか!!」
ワッカは、テーブルに手をついて立ち上がる。
「そうッスね。行こう、ユウナ」
ティーダも、笑顔で立ち上がった。
それにつられるように、ユウナも笑顔になる。
「うん!」
「今日は・・現れるかしらね」
ブリッジに向かいながら、ルールーが呟いた。
「現れるよ」
「え?」
断言したユウナに、視線が集まる。
「アヤさんが、一昨日言ってたの。今日は、十年前父さんがシンを倒した日。だから、ナギ平原にシンは来るって」
ユウナのーーいや、アヤの言葉が、妙に納得出来た。
オヤジはきっと、今日で終わりにするって決めたんだ。
自分がーー自分である内に
オヤジの想いも、アーロンの想いも、祈り子の願いも
全てを知ったいま、俺が終焉の幕を引こう。
たとえ、自分という存在が
ユウナの前から
消えてしまってもーーー
.
