48話 思い出
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【黄昏の中で】
ーーねえ、アーロン・・私・・幸せよ
ーーあぁ・・俺もだ
朝の日差しの眩しさに、うっすらと眼を開けた。
朧な視界。
それが、徐々にはっきりしてくる。
白く射し込む光の中には、一晩中、自分を愛してくれた唇が有った。
「・・起きたのか」
その声に視線を上げれば、琥珀色の瞳が自分を見ていた。
アヤは、じっと見つめる。
「・・どうした?」
指がこめかみの髪をそっと掻き上げ、アヤはその気持ち良さに、猫のように胸に擦りよった。
「夢の・・続きかと思った」
胸に顔を埋め、呟いた。
「夢を・・みていたのか?」
落ち着いたアルトサキソフォンの声が耳に響き、大きな掌が頭を包む。
「うん・・」
アーロンの背中に、腕を廻した。
何も、響いてこない胸
夕べの熱が、嘘のように冷たい肌
「どんな、夢だ・・?」
アヤは、少し躊躇いがちに口を開く。
「・・ブラスカがいて、ジェクトがいて・・・ユウナも、ティーダも、みんな居て・・・シンの居ない、スピラの夢よ・・」
「・・そうか」
髪を優しく撫で、アーロンは呟いた。
身体を包み込む逞しい腕に、アヤはほんの数時間前の、激しい情事を思い返した。
アーロンは、アヤの顔を上へ向けると額に唇を落とす。
「アヤーー髪、伸ばさないのか?」
「長い髪、好き?」
「あぁ・・」
「ん・・また、伸ばそうかな。ねえ、アーロン」
背中に廻した腕を戻し、アーロンの無精髭を指先で触る。
チクチクと指を刺す感触に、思わず笑う。
「・・似合わんか?」
アーロンは苦笑した。
「ん~。見慣れた」
アヤがからかうように言うと、アーロンは一瞬目を見開いた。
そして、腕に力を込め、思い切り抱き締める。
「あ~、ごめん!ごめんアーロン!苦しいよ!」
腕の中でもがくアヤを今一度抱き締め、力を緩めた。
「そろそろ、起きよう・・シャワーを浴びてくるといい」
アーロンが腕枕を外すと、アヤも上半身を起こした。
「うん・・」
衣服を手に取り、浴室へ行った。
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