45話 千年前の史実
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「こんな、言い伝えがありましてな」
シンが出現する、少し前。
ザナルカンドとベベルが、激しく争っていた時のこと。
ガガゼトを攻め登ったベベル軍は、雪山に響く唄を聞いた。
そして、その軍を追うように、『シン』が現れた。
シンはベベル軍を追い越し、ザナルカンドへ向かった。
ベベルの偵察隊がガガゼトを越え、ザナルカンドの滅亡を、その目で確かめた。
都市は破壊されつくし、住民はひとり残らず、消失。
その代わりに、ガガゼト山には夥しい祈り子がいてーーー歌っていた。
「あの、祈り子の大群か?」
ワッカの言葉に、メイチェンは頷いた。
「やはり、ご覧になっていましたな」
「歌っていたってーー何を歌っていたの?」
「あの歌です。今日では、祈りの唄と呼ばれるーーあの歌」
突如現れたシンを巡り、ベベルの民は噂した。
ザナルカンドの民は、祈り子となって、シンを呼んだのではないか。
そして、その術を行った者こそーー
ザナルカンドを支配していた
『エボン』ではないかと
ユウナレスカの父、エボン
ザナルカンドが滅びる時、ユウナレスカは夫ゼイオンと共に、安全な場所へ逃れていた。
その後、二人は究極召喚でシンを倒した。
しかし、シンは復活した。
それを見たベベルの民は、また、召喚士エボンを恐れた。
エボンが、シンを復活させているとーー
そこで、エボンの怒りを静めようと
エボンを讃える唄を広めた。
「これが、エボン寺院の始まりですわ。
もしや、ユウナレスカ様は、これを狙っておったのかもしれませんな」
ガンドフとの戦いで抉れたと云われる深い谷に、メイチェンは目線を落とす。
「どうしてですか?」
ユウナは、そんな彼の後ろ姿を見つめる。
「自分がシンを倒す代わりに、父エボンの名が永遠に残るようにーーと
勿論、証拠も何も無く。全ては歴史の闇の中ーーですわ。
エボンが敵だったと、公表出来る筈もない。
ですから寺院は、この歴史をひた隠しにしとるのです」
「民衆の命より、父親の名声か・・」
メイチェンの話を聞き、ティーダが呟く。
「今のスピラと同じだな。寺院は、民衆を置き去りに、自分たちの身を守ることしか頭にない。
その民衆は、召喚士に全てを頼り、ただ待つだけだ」
アーロンは、冷たく言い放った。
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