45話 千年前の史実
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「ユウナん、あの話してあげなよ」
リュックに言われ、ユウナは思い出したように、手を叩く。
「あ、そうだね。アーロンさんも聴いて下さい」
「?」
アーロンは、不思議そうな顔でユウナを見る。
「死の谷の奥に、盗まれた祈り子様がいてーー」
祈り子のいる、洞窟に入った。
大きく空いた穴に、祈り子の像が落とされていた。
その上に、エボン教典文字が描かれた封印の布が、幾重にも張られている。
ユウナが祈りを捧げると、男性の祈り子が姿を現す。
隣りには、茶色の毛並みの犬が従えている。
「我こそは、無頼の
音に聞こえた、用心棒。
召喚士に問う。そなた、何故、我を求める?」
「真に、強い敵を倒す為です」
もう、究極召喚を得る為の修行は必要ない。
だが、自らの命を捧げた祈り子の前で、いい加減な気持ちを言いたくなかった。
「我の力を求めるならば、我に相応しい銭をよこせ」
「えっ!?お金ーーですか?」
意外な要求に、目を見張る。
「そうだ。250000ギルでどうだ?」
「そ、そんなに持っていません!ちょっ、ちょっと待って下さい!」
祈り子を残し、外へ出た。
「アヤさん!ワッカさん!ルールー!お金貸して!」
「「はあっ!?」」
ユウナの発言に、口を開けたまま固まった。
「・・・どうしたの?ユウナ」
アヤも、呆気にとられている。
理由は後でと、ユウナは全員の所持金を集め、祈り子の元へ戻る。
「あの、今はこれしか持ってないんです」
両手で、全財産を差し出した。
祈り子はその金を見て、ピクリと眉を上げる。
「はした金を詰まれても、我は動かぬわ。話にならん、出直してまいれ」
「どうだった?」
「あはは、断られちゃった・・」
リュックが尋ねると、ユウナは乾いた笑い声を上げた。
「どうして?」
「お金が少ないって・・」
全員が、言葉を失った。
「あはははははっっ!!可笑しー!マジかよ~!!
そんな祈り子も、いるんだ!!あははははっ!!」
ティーダは文字通り、腹を抱えて笑い出した。
それを見て、ユウナは唇を尖らせる。
「お祈りが通じなかったの、初めてだよ。ちょっと、へこんだ・・」
「それでね、死の谷を出て来たら」
「まだ、なんかあるんスか?」
笑いながら、リュックを見る。
「これはこれは、ユウナ様。珍しい所でお会いしますな」
深く切れ込む谷の前に、老人が立っていた。
「メイチェンさん。ここで、何をしてるんですか?」
ユウナが声を掛けると、こちらに気づき、破顔一笑した。
「ちょっと、昔に浸っておりました。ここは、400年前のシンとの戦いで、出来た谷ですから」
一行が近づくと、また、谷に視軸を戻す。
「ユウナ様、古のスピラについてーー語っても、よいですかな?」
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