45話 千年前の史実
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【語り部】
飛空挺に戻ると、ユウナたちの笑顔が出迎えた。
「腹へったぁ~メシある?」
キャビンに戻ったティーダの第一声に、笑いが起こる。
「もう、しょうがないな~」
「あはは、じゃあ、今何か作るね」
リュックが呆れると、ユウナが笑いながら、ソファーから立ち上がった。
「あたしも手伝うよ」
「あ~、俺もいくッス」
待ちきれないと、二人の後に続いた。
「料理出来んのか?あいつ」
ワッカが、ルールーを見る。
「さあ?」
ルールーは、知らないと首を振った。
その様子を眺めていたキマリが、アーロンに気付く。
「アーロン、すんだのか?」
「あぁ・・そっちも、無事のようだな。心配はしていなかったが」
アーロンの言葉に、キマリは頷いた。
「アーロン」
アヤが傍に行くと、アーロンは穏やかな笑みを向ける。
「会えたの?」
「あぁ・・奴の変わりようを、悲しんでいた」
「・・・」
ソファーに腰を下ろすと、アヤも隣りに座った。
俯くアヤに、諭すように云う。
「アヤ・・自分を責めるな。奴が闇に堕ちたのは、お前のせいじゃない」
「でも・・」
もしかしたら、ジスカルを殺すことはーー防げたかもしれない。
「まだ、居ると思うか?」
「えっ?」
突然の問い掛けに、目を見開く。
ガガゼト山で、召喚獣の魔力に消えたシーモア・グアド。
身体は、確かに幻光虫へと変わっていった。
アヤは、しばらく宙を見つめた。
「わからないーーただ」
「ただ、なんだ?」
「もう、憎しみを募らせないで欲しい。本当はーー優しいひとなの」
「奴を救えるのは、お前かもしれん」
「私が・・?」
「キマリも、そう思う。闇の中から、救い出してやるといい。スピラに翻弄された、哀れな男だ」
腕を組み、キマリは窓の外に流れる雲に目をやった。
ユウナを利用しようとした男だが、彼の置かれた境遇を哀れに思ったのかもしれない。
「ブラスカの想いは、ジスカルとシーモアには、伝わらなかったようだな」
自分には、両親がいない。
だが、ブラスカが居てくれた。
実の父親のように、厳しく、暖かく、見守ってくれた。
しかし、シーモアはーー
一族に疎まれ、父親に見放され、母親は自分の為に命を投げ出した。
奴に 罪などないだろうに
アーロンは、悲し気に呟いた。
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