44話 真の強さ
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アーロンは、暫く黙っていた。
何から話すか、思案しているようだった。
「旅に出る前。俺とアヤは、一緒に暮らしてはいたが・・まだ、男と女の関係じゃなかった。
アヤの前に、特別な付き合いをした女はいない。
色町には、贔屓にしていた女はいたがな」
思わぬ話しに、ティーダは眼を見張る。
「意外か?」
「意外ってゆーか、そのーー」
口籠もると、アーロンは微かに笑う。
「まあ、俺も男だからな」
「そのひとは、どうしてるんスか?」
上目使いに、少し興味本位な質問をする。アーロンは、笑いを消した。
「死んだ。シンに、な」
「あ・・」
ティーダは、真面目な顔になった。
「だからかなーーアヤを、すぐに抱けなかった。せめて、平和な時が訪れてからーーそう、思っていたのかもしれん」
冷たい海を泳ぎ、疲れた身体を休める為、ティーダは薄い毛布にくるまり、床に寝転がった。
アーロンは、夜通し焚き火の番をする気だ。
「ブラスカがシンを倒した夜・・泣いて嫌がるアヤを、無理矢理抱いた」
「何で!そんなこと!」
ガバッと、身体を起こした。
「『俺が祈り子になっても、シンは倒せない。ジェクトだから倒せたんだ』アヤに、そう言われた」
「オヤジだから?」
「カッとなった俺は、あいつの腕を力任せにねじ上げてーー」
目の前で燃える炎に、あの晩の光景が浮かぶ。
美しかった白い柔肌 拒む涙
それを踏みにじった 自分の手
その掌を、じっと見詰める。
「アーロン・・」
「俺は、自分の為にブラスカもジェクトもーー失いたくなかった。
それを、アヤに見抜かれた。
ふたりを失ったことに耐え切れず、その苦しみをアヤにぶつけたんだ。その後ーー」
ユウナレスカに返り討ちにあい、独りザナルカンド遺跡で、シンと再び巡り会った。
「ジェクトがシンと
お前を見守るという、ジェクトとの約束を果たす為、俺は、ザナルカンドへ渡った。だが、本当はーー逃げたんだ。お前の所へ」
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