44話 真の強さ
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「それは違うよ、アヤさん」
ユウナは、布団の下でアヤの指を握った。
「召喚士になった時、みんなの為に死のうと思ってた。迷いはなかった。
でも・・彼に出逢った。
何も知らなかった彼は、私を大召喚士の娘ユウナじゃなくて
どこにでもいる、普通の女の子として見てくれた。
彼と話していると、究極召喚もシンを倒すことも、忘れてしまう。その位、楽しい時間だった。
でも、逆にそれが怖かった。
彼と生きたいと思うあまり、旅をやめようとするんじゃないかって」
アヤの肩に、コツンと頭をぶつけた。
「でも、やめなかった・・」
アヤも頭を傾け、額をつける。
「うん、彼に言われたんだ。『もう、旅をやめよう。やめて、フツウに生きよう』ってーー」
初めて、ふたりきりで過ごした…聖なる泉
優しい眼差し
労りの言葉
暖かい大きな手
ーー熱い口づけーー
「その時、自分で選んだの。旅を続けようって」
「ユウナ・・」
「アヤさんと、一緒だよ。迷って、迷って、みんなに助けられてーー
だからね、永遠のナギ節がきたら、アーロンさんと幸せになって」
最後の言葉に、アヤは少し悲し気に微笑んだ。
しかし暗い部屋の中では、ユウナにはわからなかった。
「あのね、ユウナ」
「ん?」
「明日、一晩だけ・・ガードを離れても、いいかなーーその・・アーロンと、一緒に・・」
きっと、顔を赤くしているに違いないアヤに、ユウナも微笑んだ。
「アヤさん。これはもう、私の旅じゃない。シンを倒すための、みんなの旅。幸せになる為の、旅。だから・・ね」
私に遠慮なんかしないで
「・・ありがとう」
闇の中に、アヤの感謝の声が響いた。
互いを思い合うばかりに、擦れ違ってきた心。
それが繋がった現在(いま)
姉妹のような、母娘のような
くすぐったくて優しい気持ち。
それはこんなにも、心安らぎ
こんなにも、心地よい。
アーロンーー
あなたとティーダも、きっとーーーー
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