44話 真の強さ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ユウナがブリッジへ入っていくと、リンが口を開いた。
「良かったですね。アーロンさんが戻られて」
「・・はい」
「ナギ平原の旅行公司に担ぎ込まれた時は、それはひどい怪我でしたから」
十年前の話題に、アヤは目を伏せる。
「アヤさん、アーロンさんは、もしやーー」
「リンさんお願い、それ以上は・・言わないで下さい」
アヤは、リンが言わんとすることを遮った。
「しかしーー」
自分を見つめるリンに、背中を向ける。
「わかっています。でも、あの人じゃないと嫌なんです。
あの人と一緒に、生きていきたいんです」
アヤの願いに、リンは悲しい顔をした。
「でも、あの方が逸れを望むでしょうか?」
「・・・・」
思わず、言葉を失った。
「アヤさん、お待たせしました」
戻って来たユウナが、二人の様子に眉を顰める。
リンは、慌てて笑みを浮かべる。
「ご苦労様です、ユウナさん。シドさん、喜ばれたでしょう?」
「はい。あの・・アヤさん?」
背中を向けているアヤに、声を掛ける。
ユウナには、彼女が泣いているように見えた。
「ーー何でもないわ。戻りましょう」
背中を向けたまま、アヤは歩き出した。
通路の向こうに消えて行く二人を、リンはいつまでも見送った。
キャビンに戻ると、ちょうど休もうという話しになっていた。
「そうね、今日は疲れたしね」
リュックが、返事のかわりに大きな欠伸をする。
「お前、ほんと色気がねえな」
欠伸を見たワッカが、呆れた。
「うるさいなあ、オヤジみたいなこと言わないでよ~」
二人のやり取りに、笑いがおこる。
「はいはい、わかったからもう寝なさい」
「は~い」
部屋に向かいながら、ワッカが尋ねる。
「なあ。シドさんたち、何してるんだ?」
「ん~?自動操縦に出来ないか、色々いじってる」
「じどーそうじゅう?」
聞き慣れない言葉に、ユウナは首を傾げる。
「操縦桿を握ってなくても、勝手に飛ぶの」
「そんなことが出来るのか!?」
ワッカは驚きのあまり、大声を出した。
「機械って、凄いのね。もし禁止しなかったら、シンを倒せる機械が造れたかもしれないわね」
自分の部屋のドアに手を掛けて、ルールーが呟いた。
.
