44話 真の強さ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【繋がる想い】
死の谷を後にしたユウナたちは、ナギ平原に碇泊した飛空挺に戻った。
「おう、気が済んだか?」
ブリッジへ行くと、シドが出迎えた。
「はい、ありがとうございました」
頭を下げるルールーに、シドは、照れくさそうに笑う。
「へっ!そりゃあ、良かったな」
ふたりの会話に、ユウナとリュックは顔を見合わせて笑った。
「あの」
ワッカが、シドの前に立った。彼の真剣な顔に、シドは戸惑う。
「何でえ?改まった顔して」
「リュックも、聞いてくれ。今のうちに、ケジメつけてえんだ」
「へ?」
二人を前に、ワッカはひとつひとつ、言葉を撰ぶ。
「俺、アルベドのこと、何も知らなかった。
よく知らねえくせに、話し聞こうともしねえで・・毛嫌いしてたんだ」
『もう、アルベドとは口をきくなよ。面倒に巻き込まれっからな』
今までの自分の発言が、頭をよぎる。
「だから、ええと。そのーー」
『お前ら、禁じられた機械を平気で使ってんじゃねえか!
わかってんのか?
シンが生まれたのは、人間が機械に甘えたせいだろうがよ!』
全ての厄災を、彼らになすりつけていた。
「俺が悪かった。申し訳ありませんでした!」
深々と頭(こうべ)を下げるワッカを、シドやリュック、他のアルベド族も見ていた。
その姿に、シドは一瞬、目を細めた。
自分にも、彼程の潔さがあればーー
妹を、失わなくてすんだかもしれない。
「へっ!気にすんじゃねえ!
俺だって、エボンの民ってヤツが大嫌いでよ!」
シドは腕を組んで、スフィアモニタを見上げた。
「ま、世の中には、色んなヤツがいる。
いいヤツもいれば、嫌なヤツもいる。そんだけの話しよ」
乱暴だったが、言葉の端々から嬉しさが滲み出ていた。
それを聞いたワッカは、一度頭を上げた後、再度頭を垂れた。
「リュック、良かったわね」
ルールーが微笑む。
今、リュックの目に浮かぶ涙の意味を知っているのは
マカラーニャの湖で、彼女が流した涙を見ていた、ルールーだけかもしれない。
「うん。なんか・・いいね、こういうの・・」
教えという壁を壊せば、分かり合うことはこんなにも容易い。
今は、ワッカと自分たちだけかもしれない。
でも、スピラの人たちみんなとーー
.
