43話 残像
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「幻光虫が増えたわね」
アヤが呟いた。
「この先の行き止まりに、祈り子様がいるわ」
そうルールーが言うと、一カ所に幻光虫が集まりはじめる。
「ちっ!魔物か!?」
ワッカが、忌々しく舌打ちした。
「違う。死者だ!」
キマリが、いち早く見抜く。
集まった幻光虫が、ヒトの形を成していく。
その姿に、ルールーの瞳が悲しく揺れる。
「やはり、貴女なのですね、ギンネム様・・私が、未熟だったばかりにーー」
現れた女性の召喚士は、無表情にルールーを見ている。
アヤは、異界送りを促した。
「ユウナ」
「はい」
ユウナは頷き、ギンネムの前へと進む。
だが、異界送りの舞いをはじめたユウナを、彼女が阻んだ。
「もう、人の心は無くしてしまったんですね」
ギンネムには、ルールーの言葉すら、もう届かない。
「わかりました。ガードとしての最後の勤め、果たさせていただきます」
魔物へと姿を変えたギンネムが、長く鋭い爪で襲いかかる。
「ルールー!ワッカさん!」
ユウナが叫ぶ。
「大丈夫よ」
アヤは、助けに行こうとするユウナとリュックを止めた。
「でも!」
心配気に、リュックは振り返る。
「ふたりで、大丈夫だ」
キマリは腕を組み、動く気配すらない。
アヤとキマリの予想通り、ギンネムは呆気なく幻光虫へ変わった。
「不思議ね、もっと・・悲しいと思ってた。人と別れる事に、慣れ過ぎたのかな」
俯いて、見えないように涙を拭うルールーに、ワッカは近づいた。
「強く、なったんだろ」
「そうだね・・そうだといいね」
ルールーは、顔を上げた。
ワッカの優しさを受け止め、彼女は微笑んだ。
「・・なんか、いい雰囲気だね」
「うん・・もしかしてさ、あたしたちお邪魔虫だったかな」
ボソボソと話す二人に、アヤはクスリと笑う。
「そうかもね」
ワッカの想いが通じる日も、近いかもしれない。
キマリは、満足気に頷いていた。
後ろで交わされる会話に気づいたルールーが、振り向いた。
「馬鹿なこと言わないの!」
目を吊り上げる彼女に、ワッカは苦笑する。
「ユウナ、この先に祈り子様がいらっしゃるわ。どうする?」
ユウナは視線を泳がせ、思案していたが
「ご挨拶してこようかな」
「せっかく来たしね」
リュックの言葉に、うんと頷いた。
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