43話 残像
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洞窟の中は、幻光虫の光を反射し、光苔が
壁の所々からは、怪し気なガスが噴き出している。
入り口の狭さと比べ、中は広く天井も高い。
移動はし易かった。
その分、大型の魔物が出現するという危険もあるが。
ルールーの案内で、奥へ進んだ。
見たことのない魔物も現れたが、ユウナレスカを倒した力の前では、赤子の手を捻るようなものだった。
「ねえ・・ここで、なんかあったの?」
薄気味悪そうに洞窟を見渡して、リュックが尋ねた。
その問いに、沈んだ声が返ってくる。
「私が、初めてガードを勤めた召喚士・・ここで死んだの」
前を歩くルールーの背中を、ワッカは黙って見つめた。
「う~、な~んでこんなとこに、祈り子があるんだろ」
こういう場所は苦手なのか、リュックはボヤいてばかりいる。
『本当に、こんなところに祈り子様がいらっしゃるのでしょうか?』
『噂でしかないが、確かめる価値はあるだろう。
祈り子様がいらっしゃれば、修行になる。
いらっしゃらなくても、ザナルカンドに着くのが、少し遅れるだけだ』
召喚士は、ルールーを見て微笑む。
『頼りに、しているよ』
「おい、ルー?」
ワッカの声に、ハッとした。
「え?あぁーー随分前に、どこかの寺院から盗まれたそうよ」
「どうして?」
リュックが首を傾げると、キマリが口を開いた。
「祈り子がいなければ、召喚士は修業にならない。
修業が足らねば、究極召喚も手に入らない。
究極召喚がなければ、シンとは戦えない」
キマリの意見に、アヤも頷いた。
「そう、考えたんでしょうね…」
「そしたら、召喚士が死なないから?」
アルベド以外にも、同じ考えの者がいたのだ。
リュックは、少し嬉し気に言う。
自分たちも、同じ考えで召喚士を攫っていたから。
「ま、そう考えた奴が、盗んだんだろうな」
納得したように、ワッカは言った。
以前なら、教えに背く行為だと、怒り出しただろう。
だが、今は
「犯人の気持ち・・わかるな」
皆は、無言で賛同した。
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