43話 残像
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「『死の谷』に、行きたいの」
「死の谷?」
ユウナは聞いたことのない地名に、ルールーを見る。
「あそこに行くのか?」
「ーーうん」
ワッカの問いに、思い詰めた顔で頷いた。
『死の谷』を、彼は知っているようだ。
・・・
「今まで私は、あの事から逃げてた。
だけど、ユウナと旅をして。究極召喚の真実とシンの秘密を知って。
目を背けてちゃいけないって、思ったの。だからーーね」
話しがわからないユウナとリュックは、顔を見合わせる。
「ナギ平原の先にある、谷のことだ」
キマリの説明に、ユウナは顔を上げる。
「キマリ、知ってるの?」
大きく頷くキマリに、アーロンが口を挿む。
「たしか、召喚士ガンドフと、シンの戦いの時に出来た谷だ。何かあるのか?」
穏やかに問うと、ルールーはアーロンと視線を合わせる。
「異界で、お会いしたかった方がいたんです。でも、会えなかった・・」
「この世に、想いを残したか」
アーロンの言葉に、悲し気に目を伏せる。
「はい。多分、まだあそこにいらっしゃるんだわ」
「うん、わかったよ。ルールー」
ルールーの端麗な横顔を見つめていたユウナが、頷く。
「ありがと、ユウナ」
「お待たせッス!」
芳ばしい香りとともに、ティーダとアヤが戻って来た。
キャビンの深刻な空気に、思わず立ち止まる。
「どう・・したッスか?」
ティーダもアヤも、戸惑いを見せる。
「シンを待つ間に、行く所が出来たの」
「え?」
「死の谷・・」
事情を聞いたティーダは、谷の名を呟いた。
シーモアと戦う前にあった別れ道は、その谷へ続いていた。
「悪いわね。でも、こんな時だから、行っておきたいの」
ルールーの瞳には、強い輝きがある。ティーダは、二カッと笑った。
「んじゃ、早速シドのオヤジにーー」
「おまえは、俺と一緒に他の場所へ行く」
ティーダが、ブリッジに向かって走り出そうとした時、アーロンが呼び止めた。
「うぇえっ!?」
「どこに行くの?アーロン」
アヤが、怪訝な顔で尋ねる。
「バージ寺院跡だ。リュック、場所はわかるか?」
「そりゃあ、わかるけど・・あんなとこに、何しに行くの?」
「会いたい人物がいる。ティーダ、中を案内しろ」
「へ~い」
逆らっても無駄だとわかっているのか、ティーダは素直に返事をした。
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