42話 巨刹の主
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グレート・ブリッジを渡りきると、ベベルを振り返る。
晴れ渡った空の下に、華やかな街が広がる。
スピラの叡智と、強靭な力を誇示する街。
シンの力には屈しないこの街の、なんと脆い。
アーロンは、この街と己の愚かさを重ね合わせ、苦笑した。
強さとは、力だけではないのだなーージェクト
俺は、そのことに気づかなかった。
力で、全てが護れると思っていた。
アヤに言われ、十年も時を掛け、漸く分かった。
お前は、その意志の強さで、今まで戦っていたのだろう?
だが、シンに抗い続けたお前の孤独な戦いも
そろそろ限界なのかも知れない。
「ジェクトが、抑えていたんだろう」
「抑えていた?」
自分を見上げるリュックを、アーロンは穏やかに見下ろす。
「アイツは、自己顕示欲の塊だからな。
他のヤツに支配されるなど、耐えられないのだろう」
アーロンは、口角を上げる。
「全くッスよ。あのオヤジが、誰かに乗っ取られるなんて」
ティーダは、笑った。
「あり得ないッスね」
終
