42話 巨刹の主
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裁判の間に現れたシェリンダは、ティーダたちの前で足を止める。
「あの、マイカ総老師は?」
「あのーー」
答えようとしたユウナが言い澱むと、アーロンがシェリンダに向き直った。
「まだ来ないぞ。いつまで待たせる気だ」
「変ですねえ・・私、探して来ますね」
ルールーが、ため息をつく。
「総老師が、死人だったなんて・・彼女には言えないわね」
その時、ユウナとティーダの前に、ベベル寺院の祈り子が現れた。
「お前ーー」
ティーダとユウナが気づくと、ひと言だけ告げた。
「ボクの部屋へ来て」
「ーーはい」
ユウナが返事をすると、祈り子は消える。
「誰と話してんだ?」
ユウナとティーダの声に、ワッカは不思議そうに尋ねた。
「何でもないよ」
「祈り子様に、会いに行って来ます」
ユウナは、アーロンに告げた。
ルールーは、驚いて二人が見ていた空間を見上げる。
「え?祈り子様がいたの?」
「ふん・・成る程な・・」
悟った顔で、二人を見送るアーロンを、アヤは見つめた。
扉の向こうに二人が消えると
「アーロン・・ティーダは、祈り子が見えるの?」
祈り子は、心を通わせた召喚士にしか見えない。
十年前、祈り子となったジェクトの姿が、見えなかったように。
「ーーアヤ」
「アナタにも、見えるのね」
アヤの言葉の意味は、アーロン以外、キマリにしかわからなかった。
ティーダとユウナは、祈り子の間に入った。
「やあ」
「いつも、お世話になっています」
現れた祈り子に、ユウナは深々と頭を下げる。
「で、なんだ?」
「シンを復活させずに倒す方法、わかった?」
ティーダは、ユウナと頷き合うと徐に口を開く。
「エボン=ジュを、倒す」
「そう、エボン=ジュを倒せばーー終わる。
ねえ、エボン・ジュのこと。どれくらい知ってる?」
「シンが、復活するカギ」
「シンという、鎧を纏った存在」
祈り子は頷いた。
そして、遥か昔を振り返る。
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