40話 夜明け
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
祈り子の間で、四人はアーロンたちを待っていた。
「ユウナ」
「なに?キマリ」
ユウナは、キマリを見上げる。
「キマリがユウナに頼まれて、ベベルへアヤを訪ねて行った時」
視線が、キマリに集まる。
「アヤは、寺院の警護を命令されていた」
ワッカは、怪訝な顔をする。
「でもよ。アヤさん、討伐隊と一緒に行動してたんだろ?なあ」
ルール-に同意を求めると、彼女も頷く。
「シンに、逢うためだろう」
「シンに逢って、どうするつもりなの?」
キマリの言葉に、リュックが首を傾げる。
「シンに、殺されるためだったのかもしれない」
「そんなーー」
「・・償いーーなのかしら」
ルール-が呟いた。ユウナは、ルール-を見つめる。
「どうして?」
「さっき、アヤさん言ったわよね。ジェクトさんが、祈り子になればいいって、思ったって。
だから、ユウナの祈り子には自分がなるって言い張ったんじゃないかしら」
ブラスカが齎した、ナギ節。
仮初めの平和に浸る民衆。
その中でアヤは、復活したシンの中に、ジェクトを見つけたのだ。
彼の変貌に驚き、畏れ、己を責めた。
図らずも、それを望んだ自分を。
戻って来ない、恋人を待ち続けながら。
「誰かに話しても、信じて貰えないよね」
腕を組んで俯くワッカを、リュックは見上げる。
「そうだな・・目の当たりにした俺達だってーーすぐには、信じられなかったもんな。アヤさん、独りでつらかったろうな」
十年という月日、己を責め続けていたアヤ。そして、アーロン。
漸く、互いの苦しみを分かち合ったというのに。
アーロンの辿った悲しい命運を思い返し、キマリは瞳を閉じた。
「でもさ、これからはずっと一緒にいられるよ」
リュックがそう言った時、広間の扉が開いた。
一斉に振り返ると、アヤが立っていた。
「ーーどうしたの?」
アヤは、自分に集まる視線に戸惑いながら、近づいて来た。
「アヤのバカって、言ってたの」
リュックの返答に、アヤは目を見開いた。
「え?」
「リュック」
ルールーが窘めるが、リュックは構わず言った。
「祈り子になったら、おっちゃんと一緒にいられないじゃないか」
横を向く彼女を、見つめる。
「うん・・そうだね。ごめん」
リュックの優しさを感じて、アヤは涙ぐんだ。
「待たせたな」
アーロンとティーダが合流し、皆は祈り子の間を後にした。
昇降機に乗り、上へ上がる。
幻光虫が漂う回廊を抜け、エボン・ドームの外へ出た。
.
