40話 夜明け
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「リュック!無理すんな!」
ティーダの声に、大丈夫だと大きく頷いてみせる。
そして、手にした閃光弾のピンを抜いた。
「みんな!目えつぶってぇ!!」
リュックは大きく振りかぶると、ユウナレスカ目掛けて投げつける。
辺りを閃光が覆う。
「あああああああっっ!!」
ユウナレスカは痛みを伴なう光をまともに喰らい、身悶えする。
「どうだ!バージョン・アップした、アルベド印の閃光弾!!」
光が収まり皆が目を開けても、経験したことのない痛みに、ユウナレスカはまだのた打ち廻っている。
「今だっ!!!!」
アーロンが叫ぶと、皆は一斉にユウナレスカに向かった。
「ルー!!」
「はいっ!!」
ルールーは、ワッカのブリッツ・ボールに炎を纏わせる。
「くらえっ!!」
そのボールを、ユウナレスカの体目掛けて、蹴り上げる。
ボールの後を追うように銃声が響きわたり、硝煙の臭いが漂う。
アヤは全弾撃ちつくすと、すぐさま次の弾を籠めた。
床に落とした薬莢が、金属音を立てて転がる。
「ワッカ!!」
「わかってますって!!」
二人は、追撃の手を休めない。
向かって来る大蛇を、ティーダは後方へ宙返りしながら交わす。
「いつまでも調子に乗ってんなっ!!!!」
着地と同時にダッシュし、何度も斬りつけた。
「えやぁっ!!」
大蛇の顔面を拳で止めると、廻し蹴りをみまう。
怯んだ大蛇を、槍で斬り落とした。
次々と城壁を破られ、ユウナレスカは力を無くしていく。
「あとひと息だ!!」
ザシュッ!!!
アーロンは、紫色の舌を斬り落とす。
大蛇の髪も無惨に斬り落とされ、ユウナレスカの巨大な顔は、仮面のような無表情な中に、苦痛を滲ませる。
それは、肉体的な痛みなのか
それとも、倒されようとしている精神的な傷みか
幻光虫が立ち上る体からは、どちらかわからない。
ユウナが、ロッドを高く掲げる。
「未来にーー希望の光を!!ホーリー!!」
魔天を彩る紫黒の闇に、幾つも白い光が現れる。
その白い光が、ユウナレスカの体に集まり、静かに収束していく。
白い光が収まると、彼女は最初に現れた姿に戻っていた。
「私が死ねば、究極召喚は失われる・・あなた方は、スピラの希望を消し去ったのです」
ティーダが答える。
「だから、他の方法を探すんだよ」
囲むように、ティーダたちは彼女を見下ろす。
膝をついたユウナレスカは、身体中から幻光虫を飛び散らして、悲しみに打ち震える。
アーロンは、その哀れな姿に背中を向けた。
「愚かな・・そのような方法など、ありません。
喩えあったとしても。万一、シンを倒せても。
永久に生きる『エボン・ジュ』が、新たなシンを生み出すのみ」
「エボン・ジュ?」
「あぁ・・ゼイオン、許して下さい。
希望の光を失って、スピラは悲しみの螺旋に落ちる」
絶望の前に平伏すように、ユウナレスカは幻光虫へと姿を変えた。
辺りは、静寂に包まれる。
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