「でぃやあああっ！！」

ワッカが蹴り飛ばしたブリッツ・ボールが、唸り声を上げ宙を舞う。

アヤの細い指が、引き金にかかる。

「くっ！！」

銃声が響き、撃ち込んだ弾丸が、ユウナレスカの肢体にめり込む。

ルールーが、魔法を放つ。

「味わいなさい。最大最強の黒魔法アルテマ！！」

辺りが闇に包まれ、青白い輪がユウナレスカを捉える。
その輪が、大蛇の動きを止めた。

「今だ！！」

「おうっ！！」

アーロンの合図に、キマリとティーダが走る。

「ふんっ！！」

「はっ！！」

「えやぁっっ！！」

『正宗』が真一文字に閃光を放ち
『フラタニティ』が波のように、何度も斬りつける。
『ロンギヌス』の槍が、美しい弧を描いた。


斬り落とされた大蛇は、声を出さずにのた打ち廻ると、幻光虫へ姿を変える。
無数の幻光虫に包まれながら、上空へ押し上げられたユウナレスカの肢体が、黒魔法を放つ。

「気をつけろっ！！その光に当たると、石になるぞ！！」

「うわっ！！」

後方へ逃れたアーロンの足下に、ティーダが転がる。
アーロンはティーダの無事を確認すると、キマリの姿を探した。

「くっ！」

キマリは魔法を交わすと、床に片手をついて一回転して膝をつく。

「キマリ！！」

「ティーダ！！」

ユウナとリュックが、悲鳴を上げた。

「アーロン！！」

アヤが駆け寄る。

「流石に、今までのようなわけにはいかんな」

ユウナレスカの磐石な守りに、疲弊し始める。

「アーロン。弱気なんて、らしくないっスよ！」

ティーダが、ニヤリと笑う。

「そうですよ！」

ワッカが、ティーダを助け起こす。

「ふっーーそうだな」

二人の不敵な笑みに、アーロンは唇の端を上げる。



　　強くなったな



そうしている間も、ユウナレスカは攻撃の手を緩めない。
残っている大蛇が、床へ潜った。
それに気づいたユウナが叫ぶ。

「アーロンさん！！」

「はっ！！」

アヤを庇いつつ、アーロンは太刀を振るう。

「どわっ！！」

ワッカはボールを投げる余裕がなく、攻撃をマトモに喰らった。

「このやろう！！」

ティーダが斬ろうとしたが、大蛇は素早く戻っていく。

「おっちゃん！私に任せて！！」

「リュック？」

ユウナは、思わずリュックを見る。

「ユウナん、見てて！！」


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