39話 過去への旅 別離
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
太い腕が、アヤに襲いかかった。
同時に、蛇状の尾が、サンダラを放つ。
それが、横へ飛んで転がったアヤの指先に落ちた。
「やっ!」
下から上へ振り上げた剣を、羽毛の生えた右腕が叩き落とした。
「くっーー!!」
魔法じゃ間に合わない!
アヤは、腰に隠し持っていた銃を抜いた。
「あたって!」
銃声が響くのと同時に、キマイラが闇に吸い込まれる。
向かう相手を無くした銃弾が、森の木にめり込んだ。
「な・・に?」
ワケがわからずに座り込んでいると、青白い森の灯りに、鎖で拘束された召喚獣の姿が浮かぶ。
「召喚ーー獣?」
でも、どこの寺院の?始めて見る。
役目を終えた召喚獣が、闇に戻っていく。
「大丈夫ですか?」
その闇から聞こえた声に、アヤは銃口を向ける。
「助けて差し上げたのに、物騒な物を向けるのですね」
返って来た声に、アヤは目を見張る。
「あなたはーー」
その主は、アヤの問いに、優雅に頭を垂れると
「私は、シーモア・グアドと申します」
「じゃあ、ジスカルさまのご子息のーー」
安堵したアヤの、意識が揺らぐ。
シーモアはこの場にそぐわぬ、妖艶な笑みを浮かべた。
その笑みに当てられたかのように、アヤは気を失った。
.
