39話 過去への旅 別離
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柔らかい感触に、違和感を覚えた。
此処はーー
見覚えのある天井に、記憶をたぐる。
あぁーーナギ平原の旅行公司だ
此処までたどり着いたのは、生への執着だろうか
アーロンは、静かに体を起こした。
あれほど酷かった出血が、すっかり止まっている。
だが、右半分の視界がなかった。
それが、今までの事が夢ではないと、教えてくれた。
「じゃあ、私はあの方についていますので、荷物を積んだら先に出発して下さい」
リンは、運搬を担当しているルムニクに指示を出す。
「はい。でもリンさん、あの人・・助からないんじゃーー」
担ぎ込まれた時の、血まみれの姿。
あの傷で、よくここまでたどり着いたものだ。
「きっと、ブラスカ様を守った時に、負われた傷でしょう。見捨てては置けません」
「わかりました。荷物を置いたら、すぐに戻って来ます」
「お願いします」
ルムニクを見送りながら、リンはため息をついた。
あの傷の深さでは、恐らく助かるまい。
せっかく、ナギ節が来たというのに。
しかしーー
あの傷は、いつ負ったのだろう。
もう、ナギ節が訪れて十日たつ。
でもあの傷は、極々最近のもの。
それに、部屋の隅にあった、ちぎれた服。
大きさから見て、女性のものだろう。
リンは、ザナルカンドに向かう前の、ブラスカ達を思い出す。
アヤという娘のもの?
何かあったのかーー
リンは、アーロンが眠っている、旅行公司に入って行った。
「アーロンさんーー」
様子を見に部屋へ入ったリンは、茫然とした。
「あんな傷で、一体どこへ?」
布団の中は、
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